潤滑油

違う種類のエンジンオイルを混ぜると不具合が起こる?粘度・グレードについても解説

エンジンオイルを交換する際に、違う種類のものを混ぜてもいいものか迷うことはありませんか。

エンジンオイルは種類も多いため、間違って買ってしまう場合があるかもしれません。

結論からいうと、粘度・ベースオイル・グレードの違いによってトラブルの有無も異なります。それぞれのパターンについて解説するため、ぜひ最後までご覧ください。

違う種類のエンジンオイルを混ぜると不具合が起きる可能性がある

違う種類のエンジンオイルを混ぜると、何か問題が起きるのでしょうか。結論として、今すぐに故障等の重大なトラブルが生じることは少ないものの、混ぜれば不具合が起こる可能性はあります。

粘度・ベースオイル・グレード、それぞれがどのように違うのかによっても起こりうる現象も変わるため、以下で解説します。

粘度が違うエンジンオイルを混ぜるとどうなる?

粘度の違うエンジンオイルを混ぜると、どのようなことが起こりうるのでしょうか。

エンジンオイルの粘度は「10W-30」のような表記で確認しますが、数字が小さいほど粘度は低く、大きいほど粘度が高くなります。

粘度の違うオイルを混ぜると、粘度の変化も避けられません。そこで、粘度が下がる場合と、上がる場合で起こりうる不具合について解説します。

粘度が低くなるとエンジン内部の部品が破損するリスクがある

粘度の低いエンジンオイルを混ぜるのは、極力避けるべきでしょう。

なぜなら、粘度が元の状態より低くなると、エンジン内部の部品が破損する恐れがあるからです。粘度の低下により油膜の厚みが減り、エンジン内部のシリンダーやピストン内部の金属部品が摩擦してしまいます。

あまりに変化が大きいと、エンジンの故障につながる恐れがあるため、粘度の低いエンジンオイルを混ぜるのはやめましょう。

粘度が高くなると燃費が悪くなる

一方で、粘度の高いエンジンオイルを混ぜるとどうなるのでしょうか。粘度表記の左右のどちらの数値かによって異なります。

粘度の右の数値(高温時の粘度)が高いものを混ぜても、大きな影響はありません。しかし、左の数値(低温時の粘度)が高いものを混ぜると、発進時のエンジンオイルが硬くなり潤滑作用が落ちるため、燃費が悪くなる可能性が高くなります。

エンジンの故障や燃費の悪化が起こりうるため、粘度が異なるエンジンオイルを混ぜるのはやめましょう。

ベースオイルが違うエンジンオイルを混ぜるとどうなる?

ベースオイルの異なるエンジンオイルを混ぜると、それぞれのベースオイルの持つメリットが削がれてしまいます。なぜなら、エンジンオイルの成分は、約8割をベースオイルが占めているからです。

ベースオイルには、全合成油・部分合成油・鉱物油の3種類があり、それぞれ特性が異なります。それぞれの特性について解説します。

全合成油

全合成油は、原油を科学的に精製し、不純物を限りなく除去した高純度のベースオイルです。性能は非常に高く、低温にも高温にも強い特徴があります。低温でもスムーズに始動し、オイルの劣化が少ない点もメリットの1つです。

しかし、それゆえに高価なため、スポーツ走行を好む方などに向いているでしょう。

鉱物油

鉱物油は、原油を蒸留して不純物を取り除いたベースオイルです。一般的に普及しており、安価である反面、酸化しやすく耐熱性能も劣ります。

冬の始動や燃費などに影響はしますが、一般的に使用する分には問題ありません。ただし、エンジンに負担の多い走行をするなら、頻回な交換が推奨されます。

部分合成油

部分合成油は、鉱物油に全合成油を配合したベースオイルです。全合成油の割合が2割以上になるように配合する必要があります。

鉱物油のデメリットを軽減する特徴があり、価格も鉱物油と全合成油の中間程度です。高速走行が多い場合や、日々の走行距離が長い場合も向いているベースオイルといえます。

グレードが違う種類のエンジンオイルを混ぜるとどうなる?

異なるグレードのエンジンオイルを混ぜるとどうなるのでしょうか。結論からいうと、エンジンオイルに付加された効果が発揮されなくなる可能性があります。

そもそも、エンジンオイルのグレードとは、品質や性能を示す規格です。規格には、API規格・ILSAC規格・JASO規格などがあり、規格ごとに多少差はあるものの、概ね省燃費性・高温酸化防止性・耐久性・耐摩耗性を表しています。

それぞれの機能が発揮できなくなる可能性があるため、グレードの異なるエンジンオイルを混ぜるのはやめましょう。

同じ種類でもエンジンオイルの継ぎ足しは故障のリスクがある

違う種類のエンジンオイルを混ぜると、問題が生じる可能性がある点は分かりましたが、同じ種類のエンジンオイルなら継ぎ足しして混ぜてもよいのでしょうか。

結論からいうと、応急処置程度であれば継ぎ足しは許容されます。しかし、同じ種類であってもエンジンオイルの継ぎ足しを繰り返せば、古いエンジンオイルを除去できず、最悪の場合エンジンが焼き付いて故障する恐れがあります。

そのため、エンジンオイルは基本的には全量交換しましょう。

まとめ|同じ種類のエンジンオイルを使おう

この記事では、違う種類のエンジンオイルを混ぜたらどうなるのか解説しました。混ぜてしまっても、今すぐに故障するなど重大なトラブルは起こりにくいですが、何らかの不具合が起こる可能性はあります。

エンジンオイルの何が違うのか、粘度やベースオイル、グレードにより、発生するトラブルが異なります。不具合を起こさないためにも、エンジンオイルは同じ種類のものを全量交換しましょう。

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