点検の際にオイル交換をしたくても、「どのエンジンオイルを選べばいいかわからない」という方もいるでしょう。フォークリフトに適切なエンジンオイルを使わなければ、性能を十分に発揮できない可能性があります。
そこで本記事ではフォークリフトのエンジンオイルを選ぶ方法について紹介します。適切なエンジンオイルを選べるようになりたい方は必見です。
目次
フォークリフトのエンジンオイルを選ぶ方法
フォークリフトのエンジンオイルを選ぶ際は規格と粘度を選択する必要があります。また、規格はガソリンエンジンとディーゼルエンジンで異なるため、それぞれの特徴について知っておくとよいでしょう。
次章からは、フォークリフトのエンジンオイルを選ぶ方法について、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンにわけて解説します。
ディーゼルエンジンのケース
一般的なディーゼルエンジンのフォークリフトに求められるエンジンオイルはメーカーによって異なります。今回はトヨタの「新型GENEO(ディーゼル1ZSエンジン)」を例に紹介します。
推奨されているエンジンオイルは以下の通りです。
- 規格:API CF-4以上
- 粘度:10W-30
指定オイルはトヨタ純正ディーゼルオイルですが、規格や粘度が適切であればそれ以外のエンジンオイルも使用できます。
API規格とは、米国先油協会などが定める規格で、ディーゼルエンジン用のオイルは「C」から始まる2文字のアルファベットでわけられています。
粘度とはオイルがドロドロしているか、サラサラしているかを示すものです。〇W-〇〇であらわされ、〇には数字が入ります。
ガソリンエンジンのケース
一般的なカゾリンエンジンのフォークリフトに求められるエンジンオイルもメーカーや車種によって異なります。ディーゼルと同様にトヨタの「新型GENEO(ガソリン4Yエンジン)」を例に紹介します。
奨励されているエンジンオイルは以下の通りです。
- 規格:API SH以上もしくはILSAC GF-1以上
- 粘度:10W-30
ガソリンエンジンも、指定オイルはトヨタ純正モーターオイルですが、規格や粘度が適切であればそれ以外のエンジンオイルも使用できます。
同じAPI規格でも、ガソリンエンジン用のオイルは「S」から始まる2文字のアルファベットでわけられています。また、日米の自動車工業会が定めるILSAC規格のオイルを使っても問題ありません。
オイル交換のタイミングは?
オイル交換のタイミングは、1ヶ月ごと、もしくは200時間の使用ごとのどちらか短いタイミングでの交換が推奨されています。
ただし、指定オイルを使用している場合は3ヶ月ごと、もしくは使用時間が600時間ごとのどちらか短いタイミングでの交換が推奨されています。とはいえ、頻回にオイル交換しても問題はありません。
オイル交換を怠るとエンジンの故障につながるため、こまめな交換が大切です。また、オイルフィルターは2回のオイル交換で1回交換するようにしましょう。
フォークリフトの点検は義務づけられている
フォークリフトはエンジンオイルによるメンテナンス以外にも、日々の点検が義務づけられています。
主な点検箇所は次の箇所です。
- オイル漏れの点検
- エンジンオイルの点検・交換
- 冷却水の点検・交換
- バッテリーの点検
- ブレーキオイルの点検・交換
- チルトシリンダーの点検
- ホースやパイプの点検
- ライトの点検
- シートの点検
- ペダルの点検
- パーキングブレーキの点検
- ハンドルの点検
- 計器類の点検
- 荷役装置の点検
- タイヤと空気圧の点検
- ヘッドガードの点検
- 作動油の点検・交換
- バックレストの点検
- フォークの点検
- リフトチェーンの点検
作業前には始業点検が必須であるため、たくさんありますが怠らないようにしましょう。点検作業を疎かにすれば、怪我や事故につながる可能性があります。
また、交換が必要なものは適切なタイミングできちんと交換しましょう。
点検時に気をつけるべき3つの点
フォークリフトの点検時には、気をつけるべき3つの点があります。
- 使っていなくても点検する
- 適切な装備で安全に気をつける
- フォークリフトを動かないようにする
これらに注意して点検を行いましょう。それぞれの項目について次章から紹介します。
使っていなくても点検する
フォークリフトは使っていなくても点検をしなければなりません。
例えば、エンジンオイルは使用しなくても劣化します。使用時間が0時間でも、前回のオイル交換から1ヶ月経っていれば新しいものに取り替えましょう。
エンジンオイルだけではなく、フォークリフトに使われている機器は時間とともに劣化するため、オイル交換以外の点検も忘れないように気をつけてください。
適切な装備で安全に気をつける
点検時には安全に気をつけましょう。点検する際には、適切な装備を身につけて身の安全を守ります。
また、2人以上で点検する際は作業の指揮者をあらかじめ決めておくとよいでしょう。点検中も、指揮者の指示に従って点検を進めます。
フォークリフトを安全に使う点検であるにもかかわらず、危険が伴っては本末転倒です。
フォークリフトを動かないようにする
点検中にフォークリフトが動き出すと重大な事故につながる危険性があります。そのため、点検の際はフォークリフトを動かないように固定する必要があります。
点検の前にフォークリフトを平坦地に移動し、必ずエンジンを停止させてパーキングブレーキをかけましょう。
まとめ:フォークリフトのオイル交換は必須
フォークリフトのオイル交換はそれ以外の点検とともに、必ず行わなければなりません。
たとえフォークリフトを使用しなくても、エンジンオイルは徐々に劣化していきます。1ヶ月ごと、もしくは200時間の使用ごとのどちらか短いタイミングで交換するようにしましょう。