自分ではじめてオイル交換をする方であれば「どのくらいの量を入れればいいの?」と疑問に思うかもしれません。オイルが多過ぎると、車の動作に不調が出る可能性があります。
この記事では、車種に合ったオイル量を確認する方法と、多過ぎた際の車に現れる症状について解説します。
目次
オイル量が規定よりも多い場合に発生する症状
エンジンオイルの量は車種によって決められており、規定を超えた量を入れると動作に異常が発生する場合があります。
異常が発生したまま放置すると、故障につながるため、交換後に動作チェックすることは大切です。よくある症状として、以下の例があげられます。
- 燃費の悪化
- マフラーから白煙が出る
- アイドリングが不安定
- オーバーヒート
- オイルハンマー
それぞれの症状について解説します。
燃費の悪化
オイル量が多いと、コンロッドと呼ばれるパーツとエンジンオイルが接触し、温度が上がります。エンジンオイルは、温度が上昇すると粘度が低下し、潤滑作用が機能しにくくなります。結果として、エンジンが本来の性能を発揮できず、燃費が下がってしまうのです。
マフラーから白煙が出る
規定量よりも多いと、エンジンオイルがシリンダーと呼ばれる部分に入り込む可能性があります。シリンダーに入り込んだエンジンオイルは、ガソリンと一緒に燃焼され白煙を発生させるのです。
シリンダーに流れ込む量が多過ぎると、センサーの故障や車両火災を引き起こす可能性があります。
アイドリングが不安定
エンジンオイルが吸気系に入り込むと、アイドリングが不安定になる可能性があります。走行中は安定していても、エアコン稼働時や渋滞時に動作が不安定になる場合は、多過ぎの可能性があるでしょう。
オーバーヒート
エンジンオイルがオイルパン・クランクシャフトなどの部品に接触すると、オイル温度が上昇してしまいます。オーバーヒートに気づかず放置すると、エンジンが故障し交換が必要になる可能性があるでしょう。
オイルハンマー
オイルハンマーは、オイルが基本的に侵入しない場所に流れ、エンジンが破損してしまう症状を指します。交換が必要なため、高額の修理費用を支払わなければならなくなるでしょう。
エンジンオイルの規定量
エンジンオイルの規定量は車種によって異なります。加えて、同じ車種だとしても、搭載しているエンジンが異なる場合は規定量も変わるため注意しましょう。自分が持っている車の適切な量は、車両取扱説明書で確認できます。
オイル量の確認方法
自分の車にどのくらいのエンジンオイルが入っているのかを確認するには、以下の手順で行う必要があります。
- 水平な場所に車を停める
- エンジンオイルがオイルパンに戻るのを待つ
- オイルレベルゲージを取り出す
- オイルの状態を確認し、拭き取る
- オイルレベルゲージを入れ、量を確認する
オイルレベルゲージは破損する可能性があるため、引き抜く際は注意しましょう。また、状態を確認する際は、色や不純物の有無を確認しましょう。黒く変色していたり、不純物が混入していたりする場合は、交換が必要です。
オイル量を確認するタイミング
オイルレベルゲージが示すラインは、確認するタイミングによって変わることがあります。これはエンジンをかけることで、エンジンオイルがオイルパンに戻るまでに時間がかかるためです。
そのため、確認に最適なタイミングは「エンジンをかける前」または「エンジンをかけてから数時間経過後」です。車を使用した後は、エンジンを切って最低でも5分以上待ってから確認するようにしましょう。
オイル量の許容範囲
オイルレベルゲージには、上限と下限を表す印がついています。エンジンオイルが多過ぎた場合でも、上限を少し上回る程度であれば多くの場合問題はありません。
しかし、上限よりも1cm以上も上にオイルラインがある場合は、多過ぎです。一般的には、規定量よりも1L以上多く入れると、故障や燃費の低下につながるリスクが上がります。
オイル量が多い場合の対応
エンジンオイルが多過ぎた場合は、余分な量を抜く必要があります。交換には特別な資格が必要なわけではないため、自分で抜くことも可能です。とはいえ、作業スペースや道具が必要なため、手間と感じるのであれば経験豊富な専門スタッフに依頼したほうがよいでしょう。
エンジンオイルオイルを抜く方法
エンジンオイルを抜く方法には「上抜き」と「下抜き」の2種類があります。上抜きは、オイルレベルゲージがある穴からオイルチェンジャーを使って吸い出す方法です。
下抜きの場合は、ジャッキアップしオイルパンのドレンボルトを外してからエンジンオイルを抜きます。
エンジンによっては上抜きできないタイプもあるため、ご自分の車を確認してみてください。
いつの間にか増えていた場合
オイル量を確認した方の中には「以前に確認した時は適正量だったのに、後日確認したら増えていた」という事例に直面する方がいるかもしれません。この症状が発生した場合、エンジン内にオイル以外の液体が混入している可能性があります。
故障につながる可能性があるため、業者に見てもらうとよいでしょう。
まとめ|オイルの入れ過ぎに注意!交換後は必ず確認しましょう
エンジンオイルを自分で交換する際は、規定の量を入れる必要があります。入れ過ぎると車の動作に不調が発生し、エンジンが故障する場合があるため、本記事で紹介した確認方法やタイミングなどを参考にオイル交換をしましょう。