潤滑油

ATFオイルは交換しなくても良い?ATFの役割や交換時期を解説!

ATFオイル交換について疑問を感じることはありませんか?そもそも交換は必要なのか、どのくらいの頻度で交換するのか、詳しくわからない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ATFオイルの役割や交換サイクルについて解説しています。併せて、オイルにまつわるトラブルも紹介していますので、お車のメンテナンスの参考にしてみてください。

ATFオイルの大事な2つの役割

ATFオイルは、ATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)とも呼ばれ、多くの自動車に広く使われています。現在、販売されている自動車の9割がAT車のため、ATFはエンジンオイルと同じくらい身近なオイルといえるでしょう。

ATFは、AT車には無くてはならないものですが、どんな役割があるのでしょうか。ATFのおもな役割は下記の2つです。

  1. 動力の伝達
  2. シフトチェンジの制御

ひとつずつ確認していきます。

動力の伝達

車が動き出すためには、エンジンで発生した動力をタイヤに伝えなければなりません。

タイヤに動力が伝わるまでには、エンジン→トルコン→トランスミッション→デファレンシャル→タイヤの過程を経なければなりません。

動力伝達の過程でATFは、エンジンからトルコンに動力を伝える、動力伝達に最も重要な作動油となります。

シフトチェンジの制御

AT車は、ATFの油圧を利用してバルブの開閉やギヤの入れ替えを行っているため、人によるクラッチ操作が不要です。そのため、ATFによる正常な圧力が得られなければ正確なシフトチェンジができず、スムーズな走行ができません。

AT車のシフトチェンジには、ATFの性能や劣化具合など、オイルの正常な状態が欠かせません。

ATFオイル交換の推奨サイクル

ATFは、エンジンオイルほど交換頻度は高くありませんが、車を長持ちさせるためには定期的な交換が必要です。ATFの交換時期の目安は、各自動車メーカーが推奨している交換サイクルを参照しましょう。

各自動車メーカーの交換時期は下表のとおりです。

トヨタ交換不要。シビアコンディションの場合100,000㎞ごと。
本田初回80,000㎞、2回目以降60,000㎞ごと。
日産40,000㎞ごと。
ダイハツ100,000㎞ごと。
スズキ40,000㎞ごと。シビアコンディションの場合30,000㎞ごと。

メーカー推奨の交換時期のほかに、車種ごとに交換時期が設定されている場合もあるため、取扱説明書を確認するのがおすすめです。

ATFオイル交換で注意すべき点

ATFの交換は定期的に行うのがおすすめですが、思わぬトラブルになることもあるため、注意しなければなりません。エンジンオイルの交換とは違う、ATF交換の注意点を解説します。

ATF交換の注意すべき点は下記の2つです。

  1. ATFの規格や性能を確認する
  2. 10万㎞以上無交換の場合は要相談

ひとつずつ確認していきます。

ATFの規格や性能を確認する

AT車のミッションは、とても複雑で精密な構造になっているため、丁寧に取り扱わなければなりません。そのため、AT車のミッションを正常に動作させるには、ATFの規格や性能が重要になります。

ただ、ATFとひとことで言ってもメーカーや車種によって異なるため、適切なATFを選ばなければ故障の原因になりかねません。

10万㎞以上無交換の場合は要相談

走行10万㎞以上で一度もATFを交換していない場合、ATFが劣化し不純物が多く含まれ、ミッション内に金属粉が固着します。チェンジャーを使ってATF交換をすると、固着していた金属粉が剝がれ落ち、通路やバルブを詰まらせかねません。

そのため、10万㎞以上無交換の場合はディーラーや整備工場など、専門家に相談しましょう。

ATFオイルを交換しないと起こるトラブル

ATF交換不要と謳っているメーカーもありますが、快適な車生活を送るにはATF交換が必須です。では、ATF交換をしなければどんなトラブルが起こるのでしょうか。ATF交換をしないと起こるトラブルは下記のとおりです。

  1. 変速ショックが大きくなる
  2. 発進や加速が悪くなる
  3. 燃費が悪くなる

ひとつずつ確認していきましょう。

変速ショックが大きくなる

AT車のミッションは、ATFの油圧を利用してバルブやクラッチを作動させています。

エンジン回転数が上がると、ATFの油圧も上がりバルブやクラッチが作動し、適切なタイミングで変速します。

しかし、ATFが劣化し粘度が低下するとエンジン回転数を上げないと変速しないため、変速ショックが大きくなってしまいます。

発進や加速が悪くなる

車の発進や加速時は、エンジンで発生した動力をトルコンがATFを介してミッションに伝えています。そのため、ATFが劣化するとトルコンを回転させる力が低下し、動力を伝える力が弱まり発進・加速が悪化します。

燃費が悪くなる

ATFの劣化に伴い動力伝達能力が低下すると、エンジンで発生した動力を100%伝達できません。そのため、発進や加速をよくするため、無意識のうちに必要以上にアクセルを踏み込んでしまい燃費が悪化します。

まとめ|ATFは定期的に交換しよう!

エンジンオイルの交換に比べると、交換頻度が低く認知度も低いATF交換ですが、

車を長く愛用するには重要なメンテナンス。ご自身の車に最適なATFを選び、メーカーが推奨している適切なタイミングでATFを交換しましょう。

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