潤滑油

軽トラのエンジンオイルは何が良い? 軽トラ用エンジンオイルの特徴!

軽トラのエンジンオイルは、ホームセンターの安いオイルで十分だと思っていませんか? また、あまり走行距離が増えないからとオイル交換を怠っていませんか?

軽トラックのエンジンオイルについては誤解されていることも多く、間違ったメンテナンスをしていることもしばしばです。 

そこでこの記事では、軽トラのエンジンオイルに関する情報を紹介しています。 軽トラに最適なオイル性能や、おすすめの交換時期を解説しているため、ぜひ参考にしてください。

軽トラのエンジンオイルに求められる性能

軽トラは車の特性上、荷台に荷物を積んで運搬することが多く、負荷のかかる使われ方をしています。さらに、農作業に使われることも多いため、田畑のあぜ道など未舗装路を走行することも少なくありません。

そのため、軽トラはシビアコンディションに該当するといえるでしょう。

以上の点を踏まえ、軽トラのエンジンオイルに求められる性能は下記の3つです。

  1. 軽トラの使用環境に合った粘度
  2. 高負荷に耐えられる潤滑性能
  3. 高出力を維持する密封性能

それぞれについて解説します。

1.軽トラの使用環境に合った粘度

オイルの粘度とは、オイルの流動性を示す数値で、軽トラのエンジンオイルは「5W−30」や「10W−30」が多く使われています。

各数字や英字の意味は下表のとおりです。

5Wや10W30
対応できる外気温SAE規格30に該当する粘度

10Wから5Wなど、数字が小さくなれば流動性が高くなり、SAE規格の数字が高くなるほど粘度が高くなります。

軽トラは、走行距離が短い割には高負荷にさらされるため、粘度が高いオイルが適しているでしょう。

2.高負荷に耐えられる潤滑性能

エンジンオイルの潤滑性能とは、エンジン内部の金属に油膜を形成し、金属同士がスムーズに摺動できるようにする性能のことです。

軽トラは、荷物の運搬や未舗装路で使われることが多く、エンジンの負荷が高くなっています。エンジンにかかる負荷が高いと、金属表面の油膜が保持されにくくなり、エンジンがスムーズに回転できません。

軽トラのような高負荷な使われ方に耐えるには、エンジンオイルの潤滑性能が重要です。

3.高出力を維持する密封性能

エンジンオイルは、ピストンとシリンダー、ピストンリングの隙間を埋め、エンジンで発生したパワーを伝えています。

密封性能が低下すると、エンジン内部の隙間を維持することが難しくなり、せっかく発生したパワーを逃がしてしまいます。さらに性能低下が進むと、車の出力不足や加速不良など、走行性能の悪化につながりかねません。

密封性能は、エンジンオイルの大事な性能の一つで、負荷の高い使われ方をする軽トラには欠かせない性能といえるでしょう。

軽トラに適したエンジンオイルの選び方

軽トラに適したエンジンオイルを選ばなければ、車の性能をフルに発揮することはできません。場合によっては、車の出力が低下したり、エンジンを損傷させる可能性すらあります。

特に軽トラは特殊な使われ方をするため、最適なオイル選びは欠かせません。

軽トラに適したエンジンオイルの選び方は下記の3つです。

  1. エンジンオイルの添加剤を確認する
  2. ベースオイルの種類を確認する
  3. メーカー推奨オイルを確認する

それぞれについて解説します。

1.エンジンオイルの添加剤を確認する

エンジンオイルに含まれる添加剤は、オイル性能や保護機能を向上させるために大事な役割を果たしています。

添加剤の種類の一部を下表にまとめました。

粘度指数向上剤オイルの粘度、熱への耐久性を保つ
摩擦調整剤部品同士の摩擦を抑え、エンジンの動きを円滑にする
流動点降下剤低温でもオイルが固まらないようにする

高負荷で使用されることが多い軽トラには、モリブデン系の添加剤が含まれるエンジンオイルが適しています。

2.ベースオイルの種類を確認する

ベースオイルの種類や特徴は下表のとおりです。

鉱物油最もリーズナブルなオイル。劣化しやすい
部分合成油鉱物油と化学合成油の良いとこ取りをしたオイル
化学合成油不純物を最大限に排除し、化学的に合成した高性能オイル。

以上の特徴から、負荷の高い軽トラのエンジンオイルには、部分合成油か化学合成油が適しているといえるでしょう。

3.メーカー推奨オイルを確認する

エンジンオイルの選択に悩んだら、メーカー推奨のオイルを選択するのが無難です。

メーカーは、それぞれの車のエンジン特性に合ったエンジンオイルを開発・使用しています。そのため、メーカー推奨オイルは故障やトラブルの発生が少なく不安がありません。

取扱説明書を確認し、記載されている粘度・グレードと同じオイルを選択しましょう。

軽トラのオイル交換時期について

各軽自動車メーカーの推奨するオイル交換時期は、下表のとおりです。

ダイハツ10,000㎞または6ヵ月(5,000㎞または6ヵ月)
スズキ10,000㎞または6ヵ月(5,000㎞または3ヵ月)
ホンダ10,000㎞または1年(5,000㎞または6ヵ月)

※()内はシビアコンディション

軽トラは悪路の走行や短時間走行が多いなど、シビアコンディションに該当する場合があるため、早めの交換をしましょう。

エンジンオイルの燃費性能が軽トラに与える効果

近年、環境問題意識の向上により、燃費性能が良く環境性能に良いエンジンオイルが求められるようになりました。

軽トラのエンジンオイルも例外ではなく、メーカー推奨オイルが低粘度のエコオイルの場合も少なくありません。

オイル性能の向上やエンジンの組付け精度の向上など、低粘度でも問題ありませんが使用環境によってオイルを選択しましょう。

まとめ|軽トラのエンジンオイルはモリブデン配合がおすすめ!

軽トラは、走行距離は少なくても未舗装路の走行や積載走行など、エンジンに大きな負担がかかります。しかし、近距離移動や短時間の利用が多いため、オイル交換をつい後回しにしていないでしょうか。

モリブデン配合のエンジンオイルは、特殊な油膜を形成し摩擦を減らしてくれるため、どのような軽トラにもおすすめです。

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