「PCXのエンジンオイルを交換したいけれど、選び方がわからない」「自分で交換する方法が知りたい」という方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、PCXのエンジンオイルの種類や交換頻度について詳しく紹介します。また、PCXのエンジンオイルは自分でも交換できるため、手順も解説します。
PCXに適したエンジンオイルを選びたい方・自分で交換したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ホンダPCXのエンジンオイルを選ぶときに確認すること
ホンダPCXのエンジンオイルを選ぶときには、グレード・粘度・ベースオイルを確認しましょう。基本的に取扱説明書に記載されているエンジンオイルを選べば問題ありません。ここではそれぞれ詳しく解説します。
2種類のグレード
PCXのエンジンオイルには、以下のように2種類のグレードがあります。
- API規格
- JASO規格
このうちJASO規格で決められているグレードは、自動車のエンジンオイルでは使われず、バイクのみに適用されるグレードです。それぞれの特徴を見てみましょう。
API規格
アメリカ石油協会を中心とした組織が定めるAPI規格には、ガソリンエンジン用とディーゼルエンジン用のグレードがあります。API規格は自動車のエンジンオイルにも使われている規格で、新しく制定されたグレードほど性能がよいエンジンオイルです。
「S」から始まる物はガソリンエンジン用で、アルファベットで13種類のグレードにわけられています。「C」から始まる物はディーゼルエンジン用で、アルファベットで8種類のグレードがわけられています。
JASO規格
JASO規格は、エンジンオイルのクラッチ摩耗特性を表しています。クラッチの滑りにくさを示しており、JASO規格では、エンジンオイルをMAとMBのグレードにわけられています。
MAよりもMBの方が滑りやすく、クラッチ摩耗特性が低い性質があり、MAはさらに細かくMA1とMA2にわけられ、MA1の方が滑りやすい点が特徴です。
硬さを示す粘度
粘度はエンジンオイルの硬さを表し、「〇W-〇〇」のように記載します。〇部分には数字が入り、「〇W」には低温時、「〇〇」は高温時の粘度を示します。
数字が小さいと粘度が低くなり、サラサラしたエンジンオイルです。一方、数字が大きいほど粘度が高く、硬くてドロドロしています。走行時にはエンジンの温度が高くなるため、後ろの数字を重視しましょう。
抵抗の少ない低粘度のエンジンオイルは燃費がよく、抵抗が大きい高粘度のエンジンオイルはエンジンの保護性能が高い特徴があります。
3つのベースオイル
エンジンオイルはベースオイルに添加物を加えて作られます。ベースオイルは次表のように3つにわけられます。
ベースオイル | 原料 | 特徴 |
鉱物油 | 自然由来の原油から作られる | エンジンオイルの性能に不要な成分も含まれているが、価格は比較的リーズナブル |
全合成油 | 人工的に作られている | 価格は高めだが、3つのベースオイルでは最も性能がよい |
部分合成油 | 鉱物油と全合成油をバランスよく配合している | それぞれの特徴を合わせ持ち、価格と性能を両立している |
予算と相談しながらベースオイルを選びましょう。
オイル交換する頻度
PCXのオイルを交換する頻度は、1年もしくは走行距離3,000㎞が目安です。
ただし、シビアコンディションの場合はよりこまめな交換が必要です。エンジンをよく動かしたり、1回の走行に8㎞以下しか走らなかったりするなら、エンジンオイルは劣化が早まってしまいます。そのため、走行距離1,000~1,500㎞を目安に交換するとエンジンオイルの性能を保てます。
自分でPCXのオイルを交換する方法
PCXのエンジンオイルは、ディーラーや車用品店などで交換してもらってもよいのですが、道具があれば自分でも交換できます。ここではオイル交換の方法を紹介するので、流れをつかんで挑戦してはいかがでしょうか。
古いオイルを廃油パックへ
まずは、古いエンジンオイルを廃油パックへ捨てます。そのためにドレンボルトをトルクレンチで緩めます。
ドレンボルトを緩めるとすぐにオイルが出てくるため、緩める前に廃油処理パックを下に置いておき、準備しておきましょう。垂れ流すと環境にもよくないため、廃油の扱いには気をつけます。
ドレンボルトを締める
古いエンジンオイルを抜いたら、新しいドレンパッキンに交換してドレンボルトを締めます。
オイル漏れを防ぐため、隙間を埋める役割を果たしているのがドレンパッキンです。オイル交換ごとの交換が推奨されています。
ドレンボルトは、トルクレンチでカチカチッと音がなるまで締めましょう。硬すぎず緩すぎない力加減で締められます。
新しいオイルを入れて交換完了
新しいエンジンオイルを入れれば交換完了です。オイル交換後は、エンジンオイルが規定量入っているか、オイルレベルゲージで確認しましょう。
オイルレベルゲージは、締めずに差してからオイルレベルゲージを抜いて確認してください。奥まで入れて締めてから確認すると、正確な量が測れません。
まとめ:PCXに適切なエンジンオイルを選ぼう
PCXのエンジンオイルは、グレードや粘度、ベースオイルによってさまざまな特徴があります。基本的には取扱説明書に指定されているものを選べば間違いありません。しかし、それぞれがどのような意味を示しているのか理解すれば、上手くエンジンオイルを選べるはずです。