ホンダのバイクは、純正エンジンオイルの性能が良いと言われますが、その理由までは知らないのではないでしょうか。
この記事では、ホンダのバイク用エンジンオイルの特徴・性能について解説しています。ホンダのバイクを愛用している、もしくはホンダのバイクを購入しようとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ホンダのバイク用エンジンオイルは「ULTRA」
ホンダのバイク用エンジンオイルとして広く知られているのは「ULTRA」シリーズです。ULTRAシリーズは、1950年代から製造販売され、現在まで約70年ほどの歴史を持つロングセラー商品です。そのため、バイクショップやホームセンターなどでも見たことがある人は多いでしょう。
ホンダが長年バイクを製造・販売してきたノウハウで開発しているため、ULTRAシリーズがホンダバイクに最適といえるでしょう。
ULTRA G1が変わった
ULTRAシリーズはホンダの新型車開発にも使用され、一部の車種には工場出荷時に装填されているほどの信頼性があります。ULTRAシリーズにはさまざまなグレードがありますが、2021年に「ULTRA G1」が大きくリニューアルされました。
ULTRA G1は下記の2つが大きく改良され、性能が向上しました。
- 粘度が変わった
- ベースオイルが変わった
ULTRA G1の改良ポイントをそれぞれ紹介します。
特徴1.粘度が変わった
近年は、環境意識の高まりや燃料費の高騰など、バイクや車には省燃費性能が求められるようになりました。そのため、各バイクメーカーでもエンジンオイルの低粘度化が進み、ホンダの「ULTRA G1」も例外ではありませんでした。
ULTRA G1の粘度は、従来「10W-30」でしたが「5W‐30」へと改良され、燃費の向上を実現しています。
特徴2.ベースオイルが変わった
ULTRA G1は粘度が変更になったのに合わせ、ベースオイルも鉱物油から部分合成油へと改良されました。オイルの低粘度化は燃費性能の向上に貢献しますが、一方で懸念されるのが高温時の耐熱性能です。
ULTRA G1は、鉱物油より高温時の耐熱性能に優れる部分合成油に変更することで、低粘度と耐熱性を両立させています。
エンジンオイルの種類
エンジンオイルは、バイクやエンジンの特性によって使い分けなければなりません。また、時代のトレンドによりエンジンオイルに求められる性能も変わるため、表記されている内容をチェックするとよいでしょう。
エンジンオイルの性能を構成する要素は、大別すると下記のとおりです。
- 粘度
- ベースオイル
- 添加剤
上記の中でも、ULTRA G1は粘度とベースオイルが改良されました。
次章では、粘度とベースオイルの種類について紹介します。
粘度の種類
粘度は、エンジンオイルの硬さ、柔らかさを表記したものです。粘度の表記について、5W‐30を例に下表で解説しましょう。
5W | 30 |
低温時の粘度 | 高温時の粘度 |
低温時・高温時ともに、数字が小さいほど粘度が低く、数字が大きいほど粘度が高くなります。
低粘度オイルは低温時の始動性に優れており、燃費向上が期待できます。
高粘度オイルは、エンジンが高温時でも油膜保持性能が高いため、サーキットや高速道路の巡行に向いています。
ベースオイルの種類
エンジンオイルは、基油となるベースオイルに添加剤が適切に配合されて作られています。ベースオイルが違えばエンジンオイルの性能や特徴も変わるため、オイル選択の際に外せないポイントとなるでしょう。
ベースオイルは主に下記の3種類に区分されます。
- 鉱物油
- 化学合成油
- 部分合成油
それぞれの特徴について解説します。
鉱物油
鉱物油は、最もベーシックでリーズナブルなため、広く普及しているエンジンオイルといえます。
高性能オイルではありませんが、通勤通学などの普段使い、近所への買い物などの用途では何の問題もなく必要十分といえるでしょう。
化学合成油
化学合成油は可能な限り不純物を取り除いた高級オイルで、冷感時の始動性に優れ、かつ高温時の耐熱性能にも優れています。
レースやサーキット走行など、エンジンを高回転で使用する場面での利用が多い方におすすめです。
部分合成油
部分合成油は、鉱物油の耐熱性能を補うため、化学合成油を適量配合して性能とコスパを両立したオイルです。
潤滑性能や耐熱性能に優れているため、ロングツーリングや高速道路走行などに適しているといえるでしょう。
低粘度オイルに不向きなバイク
燃費が向上する効果が期待できる低粘度オイルですが、全てのバイクに適しているわけではありません。低粘度オイルがおすすめできないバイクは下記のとおりです。
- 年式の古いバイク
- 走行距離が多いバイク
取扱説明書に記載の粘度を選択するのがベストですが、上記などの使用状況によってはバイクショップに相談してみるとよいでしょう。
まとめ|エンジンオイルはバイクの特性に合わせて選ぼう!
ホンダのバイク用エンジンオイル「ULTRA」は、近年の環境問題に対応して改良されてきました。エンジンの各部品、組付け精度の向上でオイルが低粘度化していますが、全てのバイクに低粘度オイルが適しているわけではありません。
それぞれのバイク特性に合ったエンジンオイルを選択し、長くバイクライフを楽しんでください。