セレナのエンジンオイルは、低粘度オイルが標準採用されていますが、不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、セレナが低粘度オイルを採用している理由や、低粘度オイルの特徴について紹介しています。低粘度オイルに不安を感じる方や、低粘度オイルについて知識を深めたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
セレナのエンジンオイルについて
セレナのエンジンオイルは、すべての年式・車種で低粘度オイルが採用されているのでしょうか。
セレナのメンテナンスノートに掲載されている情報を参考に、適切なエンジンオイルを検証してみましょう。
下記よりセレナC26、C27、C28、GC28型別に、エンジンオイルの種類と粘度を紹介します。また、e-POWER車についても紹介しています。
セレナC26のオイル粘度
セレナC26型のエンジンオイルの種類と粘度は下表の通りです。
オイルの種類 | 粘度 | |
全車 | 日産純正SN:エクストラセーブ・X | 0W‐20 |
2011年9月〜2012年8月のプレマイナーチェンジ車は下表の通りです。
オイルの種類 | 粘度 | |
全車 | 日産純正SM:クストラセーブ・X | 0W‐20 |
C26型はエンジンが新型の2.0ℓ直噴エンジンとなり、さらにアイドリングストップが搭載されました。そのため、エンジンの温度が上がりづらく低粘度オイルを採用。
セレナC27のオイル粘度
セレナC27型のエンジンオイルの種類と粘度は下表の通りです。
オイルの種類 | 粘度 | |
HR12DE | 日産純正SP:ストロングセーブ・X | 0W‐20 |
MR20DD | 日産純正SP:ストロングセーブ・X | 0W‐16 |
2018年3月〜2021年11月の粘度は下表の通りです。
オイルの種類 | 粘度 | |
HR12DE | 日産純正SN:ストロングセーブ・X | 0W‐20 |
MR20DD | 日産純正SN:ストロングセーブ・X | 0W‐16 |
年式によってグレードがSNからSPに変更されました。
セレナC28・GC28のオイル粘度
C28、GC28型のエンジンオイルの種類と粘度は下表の通りです。
オイルの種類 | 粘度 | |
HR14DDe | 日産純正SP:ストロングセーブ・X | 0W‐16 |
MR20DD | 日産純正SP:ストロングセーブ・X | 0W‐16 |
e-POWER車は、搭載するエンジンの排気量を増やし、さらなる高出力と燃費向上を実現しています。また、ガソリン車も新世代CVTの採用などで燃費が向上しています。
そのため、オイルの粘度が「0W‐20」から「0W‐16」へと、低粘度オイルに変更されました。
次章からは、セレナに低粘度オイルを採用する理由を解説します。
セレナに低粘度オイルを使う2つの理由
ミニバンは、乗車人数も多く遠出することも想定されるため、粘度の高いオイルが使われるのが一般的です。ではなぜセレナは低粘度オイルを使うのでしょうか。
セレナに低粘度オイルが採用されている理由は下記の2つです。
- 環境意識の高まりからオイルの性能が向上した
- エンジン部品の素材の進化と組み付け精度が向上した
それぞれについて解説します。
1.環境意識が高まりオイルの性能が向上した
低粘度オイルが採用される大きな理由は、年々厳しさを増す環境意識の高まりによる排ガス規制が影響しています。そのため、車には燃費性能の向上が求められ、エンジンオイルもまた例外ではありません。
エンジンオイルの低粘度化は、エンジンの回転抵抗を減らし、低温時のエンジン始動性を向上させるため低燃費を実現しました。
2.エンジン部品の素材の進化と組み付け精度が向上した
エンジンオイルは、エンジン各部に入り込み各部品を潤滑し、エンジンの保護や冷却、洗浄を担っています。以前の車は、現在ほど部品自体や組み付けの精度が高くなく、油膜切れを防ぐため粘度の高いオイルが必要でした。
しかし、現在は各部の精度が向上しすき間が狭まったため、低粘度のオイルでも高い潤滑性能が発揮されます。
低粘度オイルの使用を控えるべき事例
オイルの性能が向上し低粘度化が進んでいますが、全ての車に低粘度オイルが推奨されているわけではありません。車に適したエンジンオイルを使わなければ、エンジン破損になりかねません。
低粘度オイルが推奨されない事例は下記の2つです。
- 年式の古いクルマには不向き
- 走行距離が増えたら粘度の見直しを検討
それぞれ解説します。
1.年式の古い車には不向き
メーカーが低粘度オイルを採用し始めたのは、2000年代からです。それ以前の車は、部品や組み付け精度の都合上、低粘度オイルを使うことはありませんでした。
そのため、2000年以前の車に低粘度オイルを使うのはおすすめできません。必ず車に積載されている取扱説明書を確認し、適切な粘度のオイルを使用しましょう。
2.走行距離が増えたら粘度の見直しを検討
走行距離が増えると、エンジン各部が摩耗しすき間が広がるため、低粘度オイルでは潤滑、密封が難しくなります。また、エンジンまわりのシール類も劣化してくるため、オイル漏れのリスクも増えます。
メーカー推奨オイルが低粘度オイルだとしても、走行距離が増えたらカーディーラーなどに相談し粘度の見直しを検討しましょう。
まとめ|セレナには低粘度のエンジンオイルを使いましょう!
セレナC26、C27、C28・GC28は、低粘度のエンジンオイルが純正採用されています。
低粘度オイルは、エンジンの回転ロスを減らし省燃費性を向上させるため、昨今の環境問題に対応するためには欠かせません。
ただ、セレナC26などは販売から10年経過する車両もあるため、粘度を見直してみるのも良いでしょう。