「ノンポリマーエンジンオイルは劣化しにくいって本当?」と思っている方は多いのではないでしょうか。ノンポリマーオイルは、一般的なポリマーオイルに比べて粘度を一定に保ちやすく、エンジンやエンジンオイルの劣化を抑える効果があります。
この記事では、あまり知られていないノンポリマーオイルについての特徴や、気になるポリマーオイルとの違いを紹介します。愛車にはポリマーオイルとノンポリマーオイルのどちらがいいのか比較していきましょう。
目次
ノンポリマーオイルとは
ノンポリマーオイルとは、一般的に売られているエンジンオイルに含まれる「ポリマー」が入っていない商品です。ここでは、ノンポリマーオイルについて以下の2点を解説します。
- ノンポリマーオイルの製法
- ノンポリマーオイルの特徴
それぞれ見てみましょう。
ノンポリマーオイルの製法
水のようにサラサラとしたベースオイルに粘り気をプラスする役割がポリマーにあります。そのため、粘り気を出す際は、ポリマーが加えられるのです。
しかし、ノンポリマーエンジンオイルには、種類が異なる2つのベースオイルを使用しています。ベースオイルによって粘り気を出しているため、ポリマーを使用していません。
ポリマーは劣化すると黒く固まってしまう欠点があります。エンジンに黒く固まったものが蓄積することをスラッジ化と呼びます。スラッジが蓄積するとエンジンの不調につながるため、定期的なエンジンオイルが必要です。
ノンポリマーオイルは添加物を使用せずとも、ベースオイル本来の性能を発揮できます。
ノンポリマーオイルの特徴
ノンポリマーエンジンオイルの最大のメリットは、粘度が安定している点です。高温で長く使用していても、温度が低いときと変わらない粘度を保つため、劣化が緩やかでスラッジ化もしにくい特徴があります。
さらに、熱に強く、せん断しにくい特徴も併せ持っています。せん断とはポリマーの分子が細かくなり、粘度が柔らかくなる現象です。粘度が柔らかくなると、エンジンの劣化に繋がり、いずれ交換が必要になります。
ノンポリマーオイルとポリマーオイルの違い
ノンポリマーオイルとポリマーオイルにはそれぞれにメリットとデメリットがあります。愛車にとって良いものを選ぶために良い所と悪い所を確認しておきましょう。順番に以下の2点について解説します。
- ノンポリマーオイルのメリットとデメリット
- ポリマーオイルのメリットとデメリット
ノンポリマーオイルのメリットとデメリット
メリットとデメリットは下表のとおりです。
メリット | デメリット |
・劣化を早めるポリマーが入っていない ・粘度変化に強い ・せん断しにくい | ・劣化していてもわかりにくい ・オイル交換の時期がわかりにくい ・価格が高い |
エンジンオイルの劣化を最小限にしてトラブルを避けたい方は、ノンポリマーオイルの購入を検討してみてください。劣化を早めるポリマーが入っておらず、旧車や過走行車などに使っても活躍するでしょう。
ポリマーオイルのメリットとデメリット
メリットとデメリットは下表のとおりです。
メリット | デメリット |
・商品数が多い ・流動性が高い ・安価で手に入る | ・劣化を早める ・せん断しやすい |
ポリマーオイルは、流動性が高いため燃費が良くなります。ポリマーは片栗粉のように、暖まると粘度が無くなってサラサラになり、冷めると粘り気が強くなりのが特徴です。
そのため、エコカーやハイパワーエンジンを採用している車におすすめです。ただし、劣化しやすいデメリットも持ち合わせているため、しっかりオイル管理しましょう。
ノンポリマーエンジンオイルに関するよくある質問
ノンポリマーオイルに関するよくある質問を2つ紹介します。
- 質問1:価格に違いはあるの?
- 質問2:ノンポリマーオイルを使うべき車は?
質問1 価格に違いはあるの?
基本的にはポリマーオイルに比べて、ノンポリマーオイルのほうが製造コストが高いため、高価になりがちです。ただし、商品によって使用されているベースオイルや添加物が異なるため、全てが該当するわけではありません。
また、普通車の1回のオイル交換に使用するのは大体4Lです。ポリマーオイルは4Lを5,000円前後で買えるのに対して、ノンポリマーエンジンオイルは1万円前後する商品があります。
質問2 ノンポリマーオイルを使うべき車は?
ノンポリマーオイルは旧車や過走行車への使用がおすすめです。粘度が比較的安定しているため、オイル漏れがしにくいという特徴があります。
隙間を埋める力が強く、ピストンとシリンダーの隙間や、ヘッドカートの隙間などから漏れにくいのです。部品の劣化が進んでいても部品同士の隙間を埋めてくれます。
まとめ|ノンポリマーエンジンオイルを選んでオイルの劣化を緩やかにしよう
この記事では、ノンポリマーエンジンオイルの特徴やメリット・デメリットを解説しました。ノンポリマーエンジンオイルは、ベースオイルを2つ混ぜて作られており、ポリマー不要で粘度を保てるオイルです。
最新のエコカーや燃費を意識した車には適しませんが、旧車や過走行車には向いています。愛車に適したオイルを使用して、トラブルを防いだり性能を上げたりしましょう。