潤滑油

バイクのエンジンオイルは何が正解なのか?オイル選びのポイントとは?

バイクのエンジンオイルは、ホームセンターで手に入る安価なオイルで済ませたいと思っている方もいるのではないでしょうか。しかし、バイクに合わないエンジンオイルは、さまざまな不具合やトラブルを避けられません。

この記事では、バイクに適したエンジンオイルの種類や特徴について紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

バイクのエンジンオイルの特徴

バイクに使用するエンジンオイルは、バイクのエンジンの構造上、車のエンジンオイルよりも高い性能が求められます。また、車のエンジンオイルとは要求される役割が異なるため、気をつけなければなりません。

バイクと車の違いによる、エンジンオイルの違いは以下の2つです。

  1. 高回転に耐えられる
  2. クラッチ・ミッションオイルと併用される

それぞれについて解説します。

1.高回転に耐えられる

バイクのエンジンは小型コンパクトなため、パワーを最大限に引き出すには高いエンジン回転数が必要です。一方で、車は大きくて重いため高いトルクを発生させなければならず、必ずしも高いエンジン回転数は必要ありません。

したがって、バイクはエンジン回転数が高く高温になりやすいため、オイルには焼き付きや摩耗しない高い潤滑性能が求められます。また、高温になるエンジンを冷やすため、冷却性能も備えていなければなりません。

2.クラッチ・ミッションオイルと併用される

バイクは車と違い、エンジンにクラッチやミッションの駆動系が併設されています。そのためバイクのエンジンオイルは、クラッチオイルやミッションオイルの役割も果たさなければなりません。さらに、バイクのクラッチはオイルに漬かった状態で動作するため、車のエンジンオイルをバイクに代用するのはおすすめできません。

クラッチの滑りやギヤ鳴りなどのトラブルを避けるため、バイクにはバイク用のエンジンオイルを使いましょう。

バイクのエンジンオイルを選ぶ

バイクにはバイクのエンジンオイルを使わなければなりませんが、エンジンオイルの選び方がとても重要です。不適切なオイル選びは、エンジン不調や焼き付き、燃費の悪化を招きかねません。

バイクのエンジンオイル選びは大別すると下記の2つです。

  1. バイクに合わせて選ぶ
  2. 使い方に合わせて選ぶ

それぞれについて解説します。

1.バイクに合わせて選ぶ

一言でバイクといっても、排気量や燃焼方式などはさまざまで、それぞれのバイクに適したオイルを選ばなければなりません。取扱説明書に記載されているオイルを選択すれば間違いありませんが、特にグレードと粘度は確認しておきましょう。

グレードや粘度については、主に下表の規格が使われます。

API規格エンジンオイルをグレード分類する規格 SA〜SPの14種類に分類される SL・SN・SPが主流
JASO規格日本独自のエンジンオイル規格 バイクはFA、FD、MA、MA2など 2サイクルは「F〇」4サイクルは「M〇」などと表記
SAE規格主にエンジンオイルの粘度分類として表記される 「10W-40」などと表記 数字が大きいほど粘度が高く小さいほど粘度が低い

なかでも、JASO規格とSAE規格はバイクの適切なオイル選びには欠かせません。

2.使い方に合わせて選ぶ

グレードや粘度で選ぶ以外では、普段のバイクの使い方に合わせてベースオイルを選ぶとよいでしょう。

エンジンオイルは、ベースオイルと添加剤で構成されていますが、ベースオイルは全体の7〜9割を占めます。ベースオイルの性能がエンジンオイルの性能に大きく影響するため、使い方に合わせて選びましょう。

各ベースオイルの特徴と適した利用シーンは下表の通りです。

鉱物油原油から不純物を取り除き精製されたオイル リーズナブルで広く普及している 通勤や通学メインに適している
部分合成油鉱物油と化学合成油のよいとこどりオイル 性能とコストのバランスが良い 街乗りからツーリングに適している
化学合成油限りなく不純物を取り除いた高性能オイル 潤滑性や耐熱性が高い 高速走行やサーキット走行に適している

年間の走行距離によってはコスパが悪くなることもあるため、慎重に検討しましょう。

バイクのエンジンオイル交換頻度と方法

バイクは車と比べ、使用する機会が少なくオイル交換を怠りがちです。しかし、高回転・高温で使用するため定期的にオイル交換しなければなりません。

一般的に、バイクのエンジンオイル交換サイクルは3,000〜5,000kmごと、もしくは半年ごとが推奨されています。暑くなる前の春と寒くなる前の秋に、粘度を変えてオイル交換するのもよいでしょう。

また、オイル交換は個人で行う場合と、バイクショップにお願いする場合があるのではないでしょうか。個人でオイル交換する場合は、余ったオイルを適切に管理をしないと劣化してしまうため注意しなければなりません。

まとめ|バイクのエンジンオイルは適切な選択を!

バイクのエンジンオイルは、エンジン・ミッション・クラッチ兼用のため、バイク用のエンジンオイルを使わなければなりません。さらに、2ストや4ストなど燃焼方式の違い、また排気量の違いなどによって使用するエンジンオイルが異なります。

バイクに合ったエンジンオイルを選択し、適切なタイミングで交換して末永くバイクライフを楽しみましょう。

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