潤滑油

タントはオイルの継ぎ足しが常識?オイル消費の原因とリスクを解説

タントは、オイルの減りが早くても継ぎ足しながら乗っていれば問題ないと思っていませんか。そのような対処法をすると、タントの故障を加速させるリスクが高まる可能性があります。

この記事では、タントのオイル継ぎ足しが推奨できるのかという点や、オイル消費の原因とリスクについて紹介しています。ぜひ、タントのオイルメンテナンスの参考にしてください。

タントのオイル継ぎ足しは大丈夫?

オイルの継ぎ足しはタントに限らず、必要に迫られる場合もあれば、推奨できないケースもあります。

走行中に警告灯が点灯している場合や、何らかの事情でオイル交換ができない場合など、応急処置としての継ぎ足しは仕方がありません。しかし、オイルの継ぎ足しを繰り返しおこなえば、思わぬエンジントラブルを引き起こす可能性があります。

緊急でオイルを継ぎ足した際は、安心してそのまま車を乗り続けるのではなく、できるだけ早めにオイル交換をしましょう。

タントへオイルの継ぎ足しが推奨できない3つの理由

オイルの継ぎ足しは、緊急時を除いては推奨されないのが一般的で、それはタントも例外ではありません。オイルの継ぎ足しが推奨されない理由や、オイルの継ぎ足しが車に与えるリスクは以下のとおりです。

  • 理由1.エンジンオイルの性能が低下する
  • 理由2.エンジン故障のリスクが増える
  • 理由3.オイル下がり

ひとつずつ解説します。

理由1.エンジンオイルの性能が低下する

オイルの継ぎ足しは、古いオイルと新しいオイルが混ざるため、オイルそのものの性能が低下しかねません。古いエンジンオイルはオイルの5つの役割である、潤滑・洗浄・冷却・密封・防錆の作用が劣化しています。

新しいオイルを継ぎ足したとしてもオイルの性能が回復するわけではなく、むしろ新しいオイルの劣化を進めます。

そのため、緊急時を除いてオイルの継ぎ足しは推奨されていないのです。

理由2.エンジン故障のリスクが増える

前述したエンジンオイルの劣化は、進行が進むとスラッジと呼ばれる泥状の汚れが堆積し、油路を詰まらせます。また、オイルフィルターを交換する機会がないため、エンジンオイルの汚れがろ過されず、スラッジ生成の原因となります。

エンジンの不調や燃費の悪化に加え、油路の詰まりが進めば、エンジンが破損してしまう可能性があり、手痛い出費となるでしょう。

理由3.軽自動車への処方は難易度が高い

軽自動車は居住スペース確保・エンジン出力アップのために、エンジンルームのスペースが狭く、熱負荷が高い傾向にあります。その結果、オイルの量も少なくなっており、処方的には高度な要求値があるのです。

また、オイルが不足しているのは車に何かしらの不具合が生じている可能性もあるため、継ぎ足しではなく全交換が推奨されています。

タントのエンジンオイルが減る3つの理由

そもそも、頻繁にオイルを継ぎ足さなければならない状況は異常事態です。

エンジンオイルは、自然に少量ずつ減っていきますが、交換サイクル内で大幅に減少することはありません。そのため、頻繫にオイルを継ぎ足している場合、下記の3つが原因となっている可能性があります。

  • 原因1.オイル漏れ
  • 原因2.オイル上がり
  • 原因3.オイル下がり

いずれも放置すれば車の故障につながりかねないため、対処しなくてはなりません。ひとつずつ解説します。

原因1.オイル漏れ

エンジンオイルは、密閉されたエンジン内を循環しているため、短期間で極端には減りません。ただ、オイルの通り道にはパッキンやシールが使われているため、経年劣化によりオイル漏れが発生する場合があります。

オイル量を点検し、以前より減りが早い場合はオイル漏れを疑い、カーディーラーやカーショップなどで確認してもらいましょう。

原因2.オイル上がり

シリンダーやピストン、ピストンリングの摩耗により、エンジンオイルが燃焼室内に流入し燃焼するのがオイル上がりです。

エンジンオイルは、正常時でも少量ずつ燃焼室内に流入しますが、オイル上りは必要以上にオイルが流入・燃焼されます。さらに、エンジンの気密が保持できないため出力低下を招いたり、加速時に白煙が発生したりします。

原因3.オイル下がり

オイル下がりは、燃焼室上部にあるバルブまわりの摩耗や劣化により、エンジンオイルが燃焼室内に流入する不具合です。オイル上がりと同様に、オイルの燃焼により白煙が発生しますが、エンジン始動時やアイドリング時に発生するのが特徴です。

オイル上がりやオイル下がりは、エンジン本体の修理、もしくは載せ替えが必要になる場合があるため、出費が高額になる可能性があります。

タントのオイル消費対策2選

応急処置のオイル継ぎ足しは仕方ありませんが、永続性がなく、いずれ効果的な対策を講じなければなりません。オイルが早く減る対策として、長期間の継ぎ足しは推奨できないばかりか、車が故障するリスクを助長します。

そこで、オイル消費に効果的な下記の対策をおこなってみるとよいでしょう。

  • 対策1.高粘度オイルや添加剤を使ってみる
  • 対策2.カーディーラーなど専門家に相談する

ひとつずつ解説します。

対策1.高粘度オイルや添加剤を使ってみる

オイル消費の原因であるオイル漏れや、オイル上がり・オイル下がりはオイルシールやパッキンの隙間が原因です。そのため、流動性が低く高粘度のオイルを使用すれば、隙間から漏れ出るオイル量を軽減できる場合があります。

また、オイル消費やオイル漏れに効果的な添加剤が販売されているため、試してみるとよいでしょう。

対策2.カーディーラーなど専門家に相談する

上記の対策も一時しのぎであるため、抜本的な解決にはエンジンの修理が不可欠です。ただし、エンジンの修理、オーバーホールには専門知識が必要なため、カーディーラーやカーショップなどに相談しましょう。

エンジン修理の有無や範囲、修理金額などは、実績や経験が豊富な専門家に判断してもらわなければなりません。

まとめ|タントのオイル継ぎ足しはおすすめしません!

タントに限らず、オイルを継ぎ足しながら乗り続けるのは、オイルの劣化やエンジンの破損を招く原因となる場合があります。エンジンオイルの減りが早いのはエンジン内部の摩耗、経年劣化によるオイル漏れが考えられます。

専門家に車を診断してもらい、エンジンの修理やオーバーホールなど、適切な対応をしてもらいましょう。

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