潤滑油

【エンジンオイルの規格と選び方】グレードの種類と見方を徹底解説!

エンジンオイルに規格があるのをご存知でしょうか?

エンジンオイルには細かく規格が設定されており、車種ごとで使用するオイルが違います。この記事では、エンジンオイルの規格と正しい選び方について解説しています。オイルの規格と選び方を知って快適なカーライフを過ごしましょう。

エンジンオイルには規格(グレード)がある

エンジンオイルの規格とは、オイルの信頼性やスペックを示すものです。

決まったルールがなければ性能や品質はバラバラです。車の走行性能や寿命に大きく影響するため、規格を設定して性能や品質を一定に保つ必要があります。オイルの性能も年々向上しているため、時代とともに見直され変更されています。

エンジンオイルの規格の種類は多く、ざっと掲載すると下記のとおりです。

  • API規格
  • ILSAC規格
  • JASO規格
  • ACEA規格
  • SAE規格 など

さらにAPI規格では14種類、ILSAC規格では6種類、JASO規格では6種類など、エンジン型式や車種によって細かく分類されています。エンジンオイルの規格で代表的な3つの規格を次章で紹介します。

エンジンオイルの規格の種類は?

日本で使われている規格は主に下記の3種類です。

  1. API規格
  2. ILSAC規格
  3. JASO規格

エンジンオイルのスペックを表記する場合、上記の3種類が最も多く用いられています。ただ、粘度や品質などの要素ごとに規格があるため表記が数種類に及ぶことも。
そのため分かりづらいと感じるかもしれません。3種類の規格を、表を用いてわかりやすく解説していきます。

API規格とは

API規格はアメリカ石油協会が定めた規格です。日本では、オイルのグレード表記として用いられています。

表記は、ガソリン車用が「S」、ディーゼル車用が「C」で始まります。例えば、ガソリン車用であれば「SL」「SN」「SP」などです。

ガソリン車用 ディーゼル車用
「S」 「C」

「S」の次のアルファベットが進むほど、オイルの性能が高いといえます。2020年には、10年ぶりに新規格の「SP」が設定されました。

性能 2020年新設
SA SB SC ・・・・ SL SM SN SP

 ILSAC規格とは

ILSAC規格は、国際潤滑油標準化委員会が自家用車のエンジンオイル規格を定めたもの。燃費性能の評価が追加されているのが特徴です。

表記は、「GF」で始まり後ろに数字が付与されます。例えば、「GF‐4」「GF‐5」など。数字が大きくなるほど省燃費性能が向上しています。こちらも2020年に最新の規格「GF‐6」が設定されました。

省燃費性能 2020年新設
GF-1 GF2 GF-3 GF-4 GF-5 GF-6

JASO規格とは

JASO規格は「日本自動車技術会規格」の略称で日本国内独自の規格になります。4サイクルエンジンや2サイクルエンジン、パワステなどの関連装置の潤滑油類も含まれています。

おもに、クリーンディーゼル車用の表記として目にすることが多いでしょう。

DH-1 DH-2 DL-1
大型ディーゼル車用 大型ディーゼル車用 小型ディーゼル車用
(DPE対応)

エンジンオイルを正しく選ぶ方法は?

正しいエンジンオイルを選ぶ方法は下記の2つです。

  1. グレードを確認する
  2. 粘度を確認する

エンジンオイルは車の特性に合ったものが使用されています。自分の車に合ったエンジンオイルを確認するときは、自車の「取扱説明書」を見ると間違いありません。

なお取扱説明書には「SN/GF‐4 0W−20」などの表記がされています。今回はこの表記を例に、正しい選び方を検証していきましょう。

グレードを確認する

グレードはスペックに影響しますから、しっかりと確認したいところです。それでは「SN/GF‐4 0W−20」を例に下表で解説します。

「SN/GF‐4」の部分がグレードになります。API規格とILSAC規格が併記されていて、どちらか一致するオイルを選びましょう。

S N GF-4
API規格:ガソリン車 グレード ILSAC規格グレード

粘度を確認する

「SN/GF‐4 0W−20」を例に、下表で粘度を確認しましょう。

0 W 20
対応できる外気温 Winter(冬) 高温時のオイル粘度

「0W−20」がオイル粘度の表記。「0W」は「外気温-35℃まで対応」との意味です。オイル粘度の数字が小さいほどサラサラしていて、エンジンの始動性が良くなります。

ハイブリッド車のエンジンオイルの選び方

ハイブリッド車には省燃費性に優れたエンジンオイルがおすすめです。特に下記の性能はハイブリッド車には必須の条件となるでしょう。

  • 粘度が低く始動時の負担が少ない
  • ドライスタート性能が良い

ハイブリッド車はエンジンの始動と停止を繰り返します。始動時は摩擦が大きいため、エンジンオイルが劣化しやすくなります。また、エンジンやオイルの温度も上がりづらいので、粘度が高いオイルはハイブリット車には不向きです。

そのためハイブリッド車には「0W‐20」くらいのエンジンオイルを使うようにしてください。

まとめ|エンジンオイルの規格を知り適正なオイルを選ぼう

ガソリンやディーゼル、ハイブリッド車などエンジンの性能はそれぞれ違い、対応するエンジンオイルもさまざまです。コスパだけを重視して誤ったオイルを選んでしまうと故障の原因になることもあります。
規格の違いを知り、適切なオイルを選択できるようになりましょう。

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