潤滑油

代用しないで!エンジンオイルと作動油の違い・役割・使用例を解説!

エンジンオイルと作動油はどちらも潤滑油ではありますが、それぞれの使用箇所や役割は異なります。

「エンジンオイルと作動油の違いが分からない」「代用できるのかな」などの疑問はありませんか。

この記事では、エンジンオイルと作動油の違いや役割、使用例を解説します。ぜひ最後まで読んで、2つの違いをしっかり理解しましょう。

エンジンオイルと作動油の違いとは?

エンジンオイルと作動油は、どちらも潤滑油ではあるものの、使用箇所に明確な違いがあります。

潤滑油は以下のように大別できます。

  • エンジンオイル:自動車用潤滑油
  • 作動油:工業用潤滑油

エンジンオイルは、身近な車やバイクはもちろん、エンジンがあるものに幅広く使用されています。

エンジン内を循環する、人間の体で言えば血液に相当する重要なものです。エンジンオイルの状態により、エンジンのコンディションにも影響を及ぼします。そのため、エンジンオイルを交換しないと、エンジン内部の摩擦抵抗が増えた結果、パワーダウンや燃費の悪化、オーバーヒート、さらには故障となる場合もあります。

作動油は、ブルドーザーやショベルカーなどの建設機械やフォークリフトなどの産業車両、そのほかにさまざまな油圧装置に使用される潤滑油です。したがって、一般的な自家用車にも使用されず、建設機械向けの販売が半数以上を占めるといわれています。

エンジンオイルと作動油のいずれも、車に合った粘度のオイルを選ぶことが重要です。

エンジンオイルとは

エンジンオイルは、車やバイクに使用される潤滑油で、運転時にはオイルパンからオイルポンプで汲み上げ、各パーツへ循環しています。

エンジンオイルの5つの役割について、以下の表で解説します。

役割 作用
潤滑 エンジン内部のシャフトやピストンをスムーズに動かす作用を持つ。金属摩耗や焼き付きを軽減させる。エンジンオイルが酸化すると、オイルの粘度が下がり、潤滑作用も弱まるため注意が必要。
密封

ピストンとピストンリングの隙間を密閉することで気密性を保つ作用を持つ。気密性を維持することで、パワーを維持し、エネルギー効率も向上する。

冷却

エンジン内を循環しながら各パーツを冷却する作用を持つ。

温度の上昇に伴い、パーツの破損リスクが高まるため、燃焼などで発生するエンジン内の熱を吸収して放出し、オーバーヒートを防ぐ。オイルパンによって冷却されている。

清浄分散作用

燃焼によって発生した汚れ(スラッジ)を取り込んで、エンジンを綺麗に保つ作用を持つ。オイルが少しずつ黒くなっていくのは、細かい汚れを吸着するため。

防錆

エンジン内は燃焼により高温になり、外との温度差で水分が発生しやすいが、その水分や酸により発生するサビを防ぐ。オイルの酸化の進行により防錆作用も低下するが、サビを放置するとパーツの劣化やエンジンのパフォーマンスの低下にもつながるため注意が必要。

 

作動油(ハイドロリックオイル)とは

上記のように作動油も潤滑油の1つですが、エンジンオイルとは異なり、油圧装置など各箇所を「作動させる」ためのオイルです。車のみならず、あらゆる機械で使用されており、油圧装置の動作に欠かせないものです。作動油の役割は大きく分けると2つあります。

作動油の役割1: 動力伝達作用

作動油の特徴的な役割が「動力伝達作用」です。

作動油は油圧ポンプから送り出され、装置の回路中を流れて圧力や方向などを制御し、その際に生じる圧力で油圧装置を動かすことができます。

圧縮性である空気と異なり、油は非圧縮性であるため、非常に高い圧力をかけられ、小さな装置でも大きなトルクを生み出せるのが特徴です。さまざまな機械で活用されています。

作動油の役割2: 潤滑作用

作動油のもう1つの役割は「潤滑作用」です。エンジンオイルと共通しますが、作動油の添加剤の成分が、表面に油膜を作るため、金属の部品の摩耗を防ぐことができます。

添加剤にはいくつか種類があり、作用もさまざまです。下記の役割がN00.0.yhjあり、欠かせないものとなっています。

添加剤の種類 作用
酸化防止剤 オイルの汚れを抑制
極圧剤

焼き付きや摩耗を抑制

消泡剤

泡立ちを抑制

エンジンオイルと作動油は代用してもよい?間違えたらどうなる?

エンジンオイルと作動油は代用できるのでしょうか。どちらも同じ潤滑油ですが、基本的に代用すべきではありません。

同じエンジンオイル同士であっても、粘度や添加剤が異なれば、オイルの作用が低下し、最悪の場合エンジンが焼きつく可能性もあります。

ただし、コマツの一部車種では代用可能なものもあり、エンジンオイルを作動油として使用できるケースもあります。しかし、これは極一部の例であるため、同じ潤滑油だからといって、代用はしないでください。

まとめ|エンジンオイルと作動油の違いを知り、正しい使用方法を理解しよう

この記事では、エンジンオイルと作動油の違いを解説しました。

いずれも同じ潤滑油ではありますが、使用箇所や役割が異なります。エンジンオイルは車やバイクなどのエンジンに、作動油は油圧装置に使用され、代用はできないものです。

2つの違いを理解して、正しく利用しましょう。

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