情勢コラム

原油価格の見通しはどうなる?日常生活への影響と今後の動きは

原油価格はこの先どうなっていくのか、見通しが立たず不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、原油価格の見通しと考えられる日常生活への影響を解説します。具体的に値上がりするものがわかり、普段の生活で意識するポイントがわかります。

原油価格が高騰すると、値上がりするのはガソリン価格だけではありません。私たちの生活にも大きく影響を及ぼします。

原油価格は高値で「キープor変動」と予想される2つの理由

原油価格の見通しははっきりとはわからないものの、高値で維持されその中で変動すると考えられています。

主な理由は以下の2つです。

  1. 世界情勢が不透明
  2. 円安の影響

不安要素は多いですが、悪いことばかりではありません。状況を理解して、冷静に対応できるようにしましょう。

理由1:世界情勢が不透明

原油が高値で推移する理由の1つ目に「世界情勢」があります。直近ではウクライナ情勢による原油価格の高騰が目立ち、原油価格が一時1バレル=130ドルまで跳ね上がりました。

8月上旬には1バレル=80ドル台と高騰前の水準まで落ち着いたものの、先行きは不透明と言わざるをえません。

また、今後も原油価格が高値で推移すると予測される理由として、以下の2点が挙げられます。

  1. ロシア産原油の供給が不透明である点
  2. 石油産油国の増産ペースが緩やかである点

原油が安値になる要素が今のところないため、今後も高値が持続するとの見方が多く、原油の先行きは不透明といえるでしょう。

理由2:円安による影響

現在は1ドル=140円以上になる円安が続いています。

これはアメリカをはじめとする世界各国の中央銀行が金融引き締め(金利を上げること)を進めているにもかかわらず、日本は実施していないからです。

つまり、金利の上がらない円を買うよりは、金利が上がるほかの通貨を買ったほうがお得です。すると円を売ってほかの通貨を買う国が増えるため、円の価値が下がり円安になります。

円安になると、原油を購入する通貨のドルが高くなるため、結果的に原油価格が上がることを意味します。

現在の日銀総裁である黒田東彦総裁は金融引き締めを実施しない方針をとっており、少なくとも2022年秋頃までは円安が続くと予測されているのです。

原油価格が上がると生活に影響する

原油価格が上昇していくと、私たちの生活にも少なからず影響します。では、具体的にどのような影響があるのでしょうか。

  1. 生活必需品の値上がり
  2. カー用品の値上がり

2つの視点から解説していきます。

生活必需品の値上がり

生活するうえで欠かせないのが食料品です。2022年に入ってから、さまざまな食料品が値上がりしました。

食料品 カップ麺 家庭用パスタ 食パン マーガリン 即席味噌汁
値上げ率 約5~12% 約3~7% 約2~11% 約6~20% 約5~11%

ほかにもサラダ油、チーズなどの乳製品も続々と値上げを発表しています。

また、値上がりするのは食料品だけではありません。

  • 衣類
  • クリーニング
  • 紙おむつ
  • 電気代
  • 温泉の入浴料
  • 公共交通機関の乗車料金

このように、生活必需品の値上がりは多岐にわたります。

特に電気代の値上がりは影響が大きく感じます。年々気温が上昇していく中で、冷房の使用頻度は増える一方です。

生活に必要なものが少しずつ値上がりし、家計への影響はさけられないでしょう。

カー用品の値上がり

原油価格の高騰は生活必需品だけでなく、カー用品にも影響します。

  • エンジンオイルなどのオイル類
  • バッテリー
  • タイヤ
  • その他部品

車の部品が値上がりすると、修理にかかる費用も高くなり維持費が上がります。カー用品の値上がりはもちろんですが、ガソリン価格の値上がりも私たちの生活に大きく影響を及ぼします。

また、カー用品やガソリンだけでなく、車検や点検代も値上がりする可能性も少なくありません。

整備工場には車を持ち上げるリフトや、タイヤを交換するためのタイヤチェンジャーなどさまざまな機械があります。当然それらの機械にも電気やオイルが使われており、維持費もかかります。

安全に使用するためには日々のメンテナンスが欠かせないため、維持費が上がれば車検代や点検代が値上がりする可能性は十分に考えられるでしょう。

まとめ|原油価格の先行きは「不透明」で生活への影響は大きくなる

原油価格の見通しは不透明ですが、高値を維持しながらその中で変動していくと考えられます。 世界情勢や円安の状況によって変化していくため、今後の動きに注目しておきましょう。

原油価格の高騰は、私たちの生活に大きく影響します。一つ一つの値上がりは少額でも、家計全体に与える影響ははかり知れません。

できることは限られていますが、電気をつけっぱなしにしない、エコドライブを心がけるなどの意識が大切です。
情報に踊らされることなく、冷静な判断力をもって生活していきましょう。 

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