エンジンオイルが減っているとき、継ぎ足しをしてもよいものか迷うかもしれません。継ぎ足しで済めば楽なうえ、使用するエンジンオイルの量も少なくて済みます。
しかし、エンジンオイルは一部の場合を除いて継ぎ足しすべきではありません。
この記事では、エンジンオイルを継ぎ足すデメリットや、エンジンオイルが減る原因、緊急時の継ぎ足し手順などを解説します。ぜひ最後までご覧ください。
目次
エンジンオイルの継ぎ足しは緊急時のみにとどめておくべき
エンジンオイルが減っていたら、基本的には交換しましょう。継ぎ足しは「エンジンオイルが下限より減っていて対処したいけど、今すぐは交換できない」といった時の応急処置にとどめておくべきです。
そして、あくまで応急処置なので、継続的な継ぎ足しをしてはいけません。
エンジンオイルを継ぎ足し続けるデメリット
応急処置程度の継ぎ足しは許容されても、継続的に継ぎ足しを続けるのはなぜいけないのでしょうか。継ぎ足しを続けるデメリットは、以下の2つが考えられます。
エンジンオイルの減少が以上かどうか判断しにくくなる
継ぎ足しを続けていると、正常な範囲でオイルが減っているのか、異常な減り方なのか判別が難しくなります。定期的に交換しておけば、減り具合が把握しやすく、異常が発生しても発見しやすいでしょう。よって継ぎ足しは推奨しません。
エンジンオイルの劣化が早くなる
継ぎ足しを続けていると、古いエンジンオイルが除去できないまま残ってしまいます。除去できずにいると、必然的にエンジンオイルは劣化し、さまざまな問題が生じるでしょう。
そもそも、エンジンオイルの役割とは、潤滑・冷却・防錆・密封・洗浄の5つにあります。なかでも役割の一つである潤滑作用が著しく低下すれば、燃費が悪くなるのは避けられません。
また、冷却作用が低下したり、エンジン内部の摩耗が起きたりすれば、エンジンのパーツが破損し、最悪の場合、エンジンが焼きつく事態も起こりうるでしょう。
オイルフィルターを交換する機会がなくなる
エンジンオイルを継ぎ足し続けて交換しなければ、オイル交換時に一緒に行うオイルフィルターの交換もせず、そのままの状態になってしまいます。
本来、オイルフィルターは、エンジンオイルの汚れや金属片などを濾過(ろか)して綺麗に保ってくれる重要な役割があるため、定期的に交換すべきものです。
オイルフィルターを交換しなければ、濾過されていない汚いエンジンオイルが使われ続け、前述したようにエンジンオイルの劣化は避けられません。すると、燃費が悪くなり、最悪の場合、エンジンが焼きついて故障する事態も起こりうるでしょう。
オイルフィルターを交換するためにも、継続したエンジンオイルの継ぎ足しは避けるべきです。
エンジンオイルが減る原因
エンジンオイルが減る原因は主に3つあります。正常でも少量減る場合はあるため、減る原因を理解して、異常な減り方なのか正常の範囲内なのか、自分でも簡単にチェックできるようになりましょう。
オイル漏れ
エンジンオイルが減る原因の一つにオイル漏れがあります。チェック方法としては、車体の下を見て液体が垂れているかどうかを見るとよいでしょう。
粘性のない液体なら、冷却水と考えられます。また、エンジンオイル以外のオイル漏れの可能性もあるでしょう。何が漏れているのか見分けるのは難しい場合は専門家に見てもらう必要があります。
オイル下がり
オイル下がりもエンジンオイルが減る原因の一つです。吸排気バルブと燃焼室を隔てるステムシールの変形や破損により、エンジンオイルが燃焼室に入り込んで起こります。
オイル上がり
反対に、オイル上がりも原因の一つです。これは、ピストンリングの摩耗でオイルが燃焼室に入り込んでしまう現象を指します。
比較的分かりやすい現象であり、エンジンオイルの警告灯が点灯したり、マフラーから白煙が出たりする現象で気付く場合が多いようです。
自分でエンジンオイルを継ぎ足しする手順と注意点
エンジンオイルは継ぎ足しではなく、交換するのが原則です。しかし、緊急の場合などで、継ぎ足しをせざるを得ない場面もあるでしょう。
その際は、以下の手順で継ぎ足しを行なってください。
- ボンネットを開けます。
- エンジン上部のオイル口からエンジンオイルを入れます。この際、入れすぎに注意してください。
- エンジンオイルが溢れるリスクもあるため、少量ずつ入れて都度オイルレベルゲージで確認しましょう。
エンジンオイルは定期的な全量交換がおすすめ
これまで述べた通り、エンジンオイルは定期的に全量交換すべきです。定期的といっても、車種ごとに指定された走行距離、もしくは一定期間があるため、メンテナンスノート等で確認しておきましょう。
定期的に交換すれば、エンジンオイルの本来持つ役割を発揮し、車にとってより良い状態が保てるはずです。
人によっては、ついつい忘れてしまう場合もあるかもしれませんが、そのような場合は、スマートフォンアプリなどのリマインダー機能を使いましょう。
また、メンテナンスノートも併せてつければ、定期的な交換の記録が残り、異常の早期発見に役立ちます。継続的に記録・観察すれば、オイルの減りが早くなっている、交換時のオイルの色が前回と違うなどの兆候を発見できるはずです。
エンジンオイルは定期的に全量交換し、愛車の変化に気付けるようにしましょう。
まとめ|エンジンオイルの継ぎ足しは緊急時のみにしよう!
エンジンオイルの継ぎ足しは、応急処置としては許容されますが、あくまで緊急時のみにとどめておきましょう。愛車をよい状態に保つためにも、原則として継ぎ足しをせず、定期的な全量交換をおすすめします。