オイル交換の時、一度くらいは『フラッシング』を勧められたことがあるのではないでしょうか?必要性や得られる効果、自分の車に行う必要があるのか分からず、お断りしたことがあるかもしれません。
そこで当記事では、フラッシングによって得られる効果や必要性、やるべきではない車について解説しています。ご自身の車に実施するか迷っているなら、ぜひ参考にしてみてください。
目次
そもそもフラッシングとは?
エンジン内部のオイルが通る箇所を洗浄することをフラッシングと言います。
エンジン内部などに劣化した油であるスラッジや、カーボンと呼ばれる燃えカスが堆積していきます。堆積したスラッジやカーボンは、オイル交換では除去しきれません。
こびりついたスラッジやカーボンを除去するには、専用のオイルを使用したり、機械などを利用したりして洗浄する必要があるのです。
洗浄すればさまざまな効果が得られる
エンジン内部などを綺麗にすれば、さまざまな良い効果が得られます。得られる主な効果は下記の5つです。
- エンジンの回転がスムーズになる
- エンジンの音が静かになる
- 加速が良くなる
- 燃費が向上する
- エンジンが長持ちする
一般に販売されているエンジンオイルには清浄作用があります。そのため、フラッシングをしなくても、定期的なオイル交換をしていれば、エンジンが極端に汚れることはありません。
決められた頻度で交換をしているために汚れているなら、上記の効果が期待できるでしょう。
フラッシングの必要性について
エンジン内部などを洗浄するフラッシングは、メンテナンスとして必要なのではないか、と考えるかもしれません。しかし、必ず行わなければならないわけではないのです。一般的に必要といわれているのは、オイル交換をあまりしていない車や、走行距離が多い車です。
中古車を購入するときに、前オーナーなどの管理状態が分からないのであれば実施するとよいでしょう。反対に、新車や走行距離の少ない車は綺麗な状態の場合がほとんどのため、効果を感じづらい場合が多いでしょう。
また、意外にもフラッシング不向きなタイプの車も存在します。不向きな車の特徴は次項で解説していきます。
向いていない車もある
向いていない車は以下のような4つの特徴があります。
- 過走行車
- 定期的にオイル交換をしていない車
- オイルがにじむ可能性のある車
- オイルフィルターを交換したばかりの車
それぞれを詳しく解説していきます。
過走行車
過走行車(走行距離が10万km以上の車)の場合、エンジンが故障するリスクがあります。長年使用すると、エンジン内部にはスラッジなどが多く堆積します。その状態で洗浄すると、エンジン内部のスラッジなどが剥がれ落ち、目詰りしかねません。
最悪の場合、エンジン内部の部品が焼き付き、エンジンを破損させる可能性も。過走行車の場合は、カーディーラーなど、プロの方に判断してもらうのがよいでしょう。
定期的にオイル交換をしていない車
定期的なオイル交換は、エンジン内部を洗浄して、スラッジの堆積を抑えてくれます。ほとんど交換をしていない車は、エンジン内部にスラッジなどが多く堆積している場合がほとんどです。
スラッジが多く堆積した状態で行えば、目詰りさせる可能性が高まり、故障の原因になりかねません。過走行車と同様に、プロに相談してみましょう。
オイルがにじむ可能性のある車
フラッシングは、エンジン内部などの汚れを落として洗浄します。しかし、各パーツの隙間を埋めているシール部分の汚れまで落としてしまう場合も。長年使用した車は、シール部分に堆積した汚れが、オイルをせき止めていることも少なくありません。
洗浄によってシール部の汚れが落とされ、オイルをせき止められず、にじみ出てしまう可能性があります。高年式車によく見られるため、慎重に検討するべきでしょう。
オイルフィルターを交換したばかりの車
フラッシングをすると、エンジン内部の汚れが落ちて、オイルフィルターがすぐに汚れてしまいます。フィルターが汚れ過ぎると、エンジンが焼き付く可能性もあるため、フィルターの交換が必要です。
そのため、実施するタイミングは、フィルターの交換と合わせるとよいでしょう。
フラッシングの方法は3種類
種類は3つありますが、どれも効果や方法が異なります。
- フラッシング添加剤を入れる
- フラッシングオイルを循環させる
- 専用の機械を利用する
それぞれの方法の特徴や方法を詳しく解説します。
フラッシング添加剤を入れる
最も簡易的な方法が、『フラッシング添加剤』と呼ばれる洗浄剤を入れる方法です。エンジンにフラッシング添加剤を入れて、しばらく車を走行させるだけで済みます。走行後に、オイルとオイルフィルターの交換をすれば完了のお手軽さが特徴です。
手間や時間がかからず、コストもかからないため、初めてフラッシングをしたい方はぜひ試してみてください。
フラッシングオイルを循環させる
エンジン内部の汚れを落とす添加剤が入った『フラッシングオイル』を使用する方法です。
フラッシングオイルは洗浄用のためのものです。そのため、洗浄後は再度オイル交換をする必要があり、手間や時間がかかります。しかし、フラッシング添加剤を用いるより高い洗浄効果が期待できます。
決められた頻度で交換がおこなえず、オイルの汚れが気になっているようなら、試してみてはいかがでしょうか。
専用の機械を利用する
専用の機械をエンジンにセットして、洗浄剤を循環させることでエンジン内部の汚れを除去する方法です。
エンジンをかけずに洗浄できるうえに、高い効果が期待できるため、常に車をよい状態にするには最適です。ただし、コストがかかることと、古い車だとオイルがにじむ可能性を考慮しなければいけません。
まとめ|車の状態を見極めてフラッシングしよう!
フラッシングはエンジンをリフレッシュするのに最適な方法です。
ただ、車のメンテナンスに必ず必要なわけではなく、車の管理状態を見極める必要があります。
リスクもあるため、プロに車の状態を判断してもらってから利用しましょう。