潤滑油

バイクのチェーンにエンジンオイルは代用できる?注油方法も解説

「バイクのチェーンへの注油にエンジンオイルは使えるのかな?」

「チェーンオイルとエンジンオイルって同じじゃないの?」

このような疑問を抱いたことはありませんか。

エンジンオイルでチェーンの注油ができれば、違う種類のオイルを買う必要がないため疑問を持つ方は多くいます。

本来であれば、チェーンオイルでの注油が望ましいですが、エンジンオイルでも代用は可能です。この記事では、2つのオイルの特性の違いや代用時の注意点、注油手順などを解説します。ぜひ最後までご覧ください。

エンジンオイルをバイクのチェーンに注油しても問題ない?

一般的には、バイクのチェーンにエンジンオイルは使いません。

バイクのチェーンには、チェーンオイルと呼ばれる専用の潤滑剤が販売されており、本来はチェーンオイルを使う方が良いコンディションを保てるからです。

しかし、代用が全くできないわけではありません。エンジンオイルはある程度汎用性があり、シールチェーンにも使えるほどです。

そのため、本来推奨はされないものの、バイクのチェーンにエンジンオイルを注油しても問題は生じにくいといえます。ただし、注意点もあるため、以下の解説で確認してください。

そもそもエンジンオイルとチェーンのオイルの違い・役割は?

エンジンオイルとチェーンオイルは何が違うのでしょうか?主な違いは粘度と役割にあります。2つのオイルは粘度が異なり、チェーンオイルの方が粘性がより高いのです。

また、エンジンオイルには潤滑・密封・冷却・防錆・洗浄といった5つの役割がある一方、チェーンオイルは、潤滑と防錆の役割に特化しています。

そもそもチェーンとは、エンジンのパワーをリヤタイヤに伝達するパーツです。ひとたび走行を始めるとチェーンは高速で動き続けるため、潤滑剤としてチェーンオイルは必要不可欠なのです。

また、バイクのチェーンは、駐輪場所の都合上、多くの場合は雨風に晒されています。必然的にサビも発生しやすく、放置すればさらに錆が広がってしまうため、チェーンオイルによる防錆作用が重要となるのです。

このように、エンジンオイルとチェーンオイルは粘度と役割が異なっています。

エンジンオイルを使うなら油切れに注意!

バイクのチェーンにエンジンオイルを使うなら、油切れに注意しましょう。

なぜなら、エンジンオイルはチェーンオイルよりも粘性が低いため、油切れを起こすリスクが高まるからです。

もちろん、エンジンオイルによっても粘度は異なるため、どの程度の粘度か把握しておくとよいでしょう。より粘度の低いエンジンオイルであれば、メンテナンスの頻度が高くなる可能性があるため、把握しておくとベターです。

また、ロングツーリングや雨の影響を受ける梅雨時期は、油切れのリスクが高まります。そのため、長距離を走る前や梅雨前は、エンジンオイルの代用を避けた方が無難でしょう。

エンジンオイルを注油する手順|清掃も忘れずに!

バイクのチェーンにエンジンオイルを注油する際は、手順に注意しましょう。

「チェーンにオイルを差せばいい」と思っている方もいるかもしれませんが、愛車のコンディションを良い状態にしたいなら、もう少し手をかける必要があります。

特に忘れずしたいのは、チェーンの清掃です。

注油の際に忘れがちですが、いくら注油をしても、汚れをそのまま放置していると、チェーンの寿命が縮まったり、錆びたりする恐れがあります。

いずれもチェーンが断裂するリスクや、走行中のトラブルなどを引き起こす可能性があり危険です。注油の前に必ず清掃も行いましょう。

チェーンを水で洗う

はじめに、バイクのチェーンを水で洗ってあげましょう。

バイクのチェーンはむき出しであり、砂や泥が付着している場合も多々あるため、まずは水をかけて汚れを落としてください。

また、この時にスプロケットにも水をかけて併せて点検しておくとよいでしょう。スプロケットが摩耗しているとチェーンが外れる恐れがあります。ついでで構わないため、ぜひ確認しましょう。

チェーンクリーナーで汚れを除去する

チェーンを水で洗ったら、次はチェーンクリーナーの出番です。

チェーン全体にチェーンクリーナーをかけますが、リヤタイヤを回して全体にクリーナーがいきわたるようにしましょう。

このとき、エンジンは必ずオフにしておきます。怪我や事故の恐れがあるため、面倒でも必ず手でタイヤを回してください。チェーンクリーナーが行き渡ったら、ブラシを使ってブラッシングしましょう。この工程でもスプロケットを一緒に綺麗にしてあげてください。

オイルを注油する

再び水をかけて汚れを落とし、水気を拭き取って、エンジンオイルを注油します。

ただし、チェーンオイルとは異なり、エンジンオイルは注油がしづらい場合がほとんどです。注油しづらい場合は、オイラートと呼ばれる容器を使えばチェーンのような細かい箇所でも塗布しやすくなります。ぜひ活用してください。

また、オイルは注油しすぎないようにしましょう。あまり多いと飛び散りやすくなるほか、余分なオイルが付いていると、かえってホコリなどの汚れがつきやすくなってしまいます。そのため注油後は、余分なオイルをウエスなどで拭き取りましょう。

チェーンの注油頻度

バイクのチェーンの注油頻度はどのくらいなのでしょうか。

理想としては、バイクで走行したら、毎回清掃と注油を行うと、良いコンディションを保てます。しかし、実際にはそこまでマメな手入れは難しいのではないでしょうか。

そのため、一般的には500〜1,000km走行ごとの注油が目安となっています。

また、走行距離がそこまで達していなくても、汚れが付着したらその都度、清掃と注油をした方がよいでしょう。雨が降ったり、オフロードなどを走ったりしたあとは、砂や泥などがつきやすくなっているため、走行後にバイクをチェックしてください。

まとめ|エンジンオイルを注油してもよいが油切れに要注意

バイクのチェーンには、チェーンオイルと呼ばれる専用の潤滑剤が販売されていますが、エンジンオイルで代用も可能です。

しかし、チェーンオイルとエンジンオイルでは粘度が違うため、エンジンオイルで代用するなら、メンテナンスをマメに行い、油切れに注意してください。オイルの種類ごとの特性を覚えて、愛車にとってより良いメンテナンスを心がけましょう。

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