潤滑油

スクーターのミッションオイル交換は必要?エンジンオイルを使っても大丈夫?

スクーターのミッションオイルは交換が必要なのでしょうか?この記事では、スクーターのミッションオイル交換は必要なのかを解説しています。

あわせて、エンジンオイルとの違いや、エンジンオイルを使用しても良いのかも解説しています。スクーターのミッションオイルについて疑問をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。

そもそもスクーターのミッションとは

スクーターは無断変速機で変速をしているため、トランスミッションを搭載していません。スクーターのミッションは大別すると、駆動ベルト部とファイナルギヤ部の2つから構成されています。

駆動ベルト部では、2つのプーリーとプーリーを駆動するベルトによって、低速から高速まで無断変速しています。

ファイナルギヤ部は、駆動ベルトにより高回転で回されたプーリーを減速させ、後輪を適切な回転で回す役割があります。

スクーターのミッションオイルとは

スクーターのミッションオイルはファイナルギヤ部に使われ、ギヤケースの中に充填されています。充填されているオイル量は少なく、スクーターはおよそ100ml前後。

ミッションオイルは、ギヤケース内の減速ギヤやベアリングなど、可動部品の潤滑や冷却等を目的としています。

スクーターのミッションオイル3つの役割

スクーターに使われるミッションオイルにはどんな役割があるのでしょうか?ミッションオイルの大きな役割は下記の3つです。

  • 摩耗防止
  • 異音防止
  • 冷却

スクーターならではの特徴や役割があるため、それぞれ解説していきます。

摩耗防止

スクーターのファイナルギヤは、減速ギヤの歯車同士が接触回転したり、ベアリングが高速回転しています。そのため、オイルで金属同士の接触抵抗を減らしたり、回転を滑らかにしなければいけません。

エンジンで発生した駆動力を後輪に余すことなく伝えるために、ギヤやベアリングがスムーズに回転することが大事になります。

異音防止

ファイナルギヤ部は、ギヤ同士が噛み合って常に大きな力が加わっています。大きな力でギヤの歯と歯が当たり続けることで騒音が発生することも。

さらに、ギヤの歯と歯が当たる面は大きな圧力がかかるため、オイルが押し出され油膜切れを起こしやすくなります。そのためミッションオイルには、騒音と油膜切れを防止する極圧性能が求められます。

冷却

高速回転している減速ギヤやベアリングは高温になり、熱で変形したり焼き付きを起こしたりすることがあります。スクーターのファイナルギヤ内部のように狭い空間では、熱により高圧になってオイル漏れの可能性も。

規定量のミッションオイルを充填することによって、ファイナルギヤ部が冷やされ、高温になりすぎることを防いでくれます。

スクーターのミッションオイル交換は必要?

さて、スクーターのミッションオイル交換は必要なのでしょうか?結論は「スクーターのミッションオイル交換は必要」です。

ファイナルギヤ部を潤滑しているミッションオイルは、ギヤやベアリングを保護しています。スクーターに長く乗り続けるなら、ミッションオイル交換はするべきです。

ミッションオイル交換が必要な理由は下記の2つです。

  • オイルを冷やす装置がない
  • オイルの汚れを取り除く装置がない

それぞれを見ていきましょう。

オイルを冷やす装置がない

スクーターのファイナルギヤ部は密閉された空間です。ミッションオイルはファイナルギヤ内部を循環しているだけで、冷却装置などで冷やされません。

高温にさらされ続けるとオイルは劣化が進み、潤滑や冷却の性能が落ちて故障の原因になってしまいます。そのため、スクーターでも定期的なミッションオイル交換が必要です。

オイルの汚れを取り除く装置がない

減速ギヤやベアリングは、金属同士が接触しながら高速回転しているため、金属片が発生しミッションオイルが汚れます。しかし、スクーターには金属片を取り除くフィルターなどが無いため、ますますオイルが汚れ劣化が進みます。

オイルの汚れを取り除く装置がないスクーターは、定期的にミッションオイルを交換するしかありません。

ミッションオイルとエンジンオイルの違い

「スクーターのミッションオイル交換にエンジンオイルが使える」と聞いたことはありませんか?まずは、それぞれの特徴を見ていきましょう。

ミッションオイルがエンジンオイルと大きく違う点は下記の2つです。

  • 極圧剤が多く含まれている
  • 超高性能な粘度指数向上剤が含まれている

ファイナルギヤとエンジンでは構造も違えば役割も違います。回転運動とピストン運動、負荷や荷重なども違います。そのため、ミッションオイルとエンジンオイルは、それぞれの特性に合ったオイルを使わなければいけません。

エンジンオイルを使用しても大丈夫?

スクーターのミッションオイルには、スクーターのミッションオイルを使いましょう。4ストバイクは、エンジンオイルがミッションオイルと共用となっています。ミッションオイルとエンジンオイルが分かれているのは、スクーターや2ストバイクなど。

「スクーターのミッションにエンジンオイルを使っても大丈夫」との意見もあります。しかし、前章でも解説したとおりミッションオイルとエンジンオイルは違うオイルです。ミッションにはミッションオイルを使いましょう。

まとめ|スクーターもミッションオイルを交換しよう!

スクーターでもミッションオイル交換は必要です。ファイナルギヤやベアリングが破損すると走行に支障を来してしまいます。安全に長く乗り続けるために、スクーターもミッションオイル交換しましょう!

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