潤滑油

エンジンオイルのJASO規格は2つある!?バイクによって使い分けよう

「バイクのエンジンオイルを交換したいけど、JASO規格って何?」という方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、JASO規格について解説します。バイクのエンジンオイルを選ぶ時に迷いがちな粘度やベースオイルについても紹介しています。バイクのエンジンオイルをどのように選べばいいか迷っている方は必見です。

バイクのエンジンオイルをわけるJASO規格とは?

JASO規格とは、バイクのエンジンオイルの規格です。一定の品質を満たしたエンジンオイルにグレードが記載されます。

JASO規格は4サイクルエンジン向けの「JASO T903」と、2サイクルエンジン向けの「JASO M345」に分けられます。

現在は4サイクルエンジンが主流のため、2サイクルエンジン向けのエンジンオイルは見かける機会が少ないかもしれません。しかし、まだまだ活躍している2サイクルエンジンのバイクもあるため、JASO T903とJASO M345について解説します。

JASO T903は4つに分類される

JASO規格のなかでも4サイクルエンジン用のJASO T903は4つに分けられ、MA規格のMA・MA1・MA2とMB規格のMBに分類されます。

4つのグレードは性能の優劣によって分けられている訳ではありません。「MA1とMA2ならMA1の方がグレードが高そうだ」と感じるかもしれませんが、粘度によって分けられているだけです。

MA規格のなかでもさらに粘度が低いエンジンオイルがMA1に、粘度が高いエンジンオイルがMA2に分類されています。

MA規格のオイルとMB規格のオイルの使い分け

MA規格とMB規格ではどのような違いがあるのでしょうか。こちらも優劣がある訳ではなく、それぞれ適切なバイクが異なります。

MA規格はMT車、MB規格はスクーターなどによく使われるのです。どちらのエンジンオイルを使うべきかはバイクによって指定されているため、適切な規格のエンジンオイルを選ぶようにしましょう。

JASO M345は3つに分類される

2サイクルエンジン用のJASO M345は、FB・FC・FDの3つに分類されます。

こちらは優劣があり、2003年に追加されたFDが最高品質のエンジンオイルです。FCは排気ガスが少ないスモークレスのエンジンオイル、FBは潤滑性や清浄性が高いエンジンオイルであり、FDはその両方を兼ね備えています。

もともとFAもあり、2サイクルエンジン用のエンジンオイルのなかでも最低限の品質を保証していましたが、2003年に廃止されました。

JASO規格以外のエンジンオイル規格

JASO規格について解説しましたが、実はほかにもエンジンオイルの規格があります。今回は以下2つの規格を紹介します。

  • API規格
  • ILSAC規格

JASO規格はクラッチが滑らないかを評価していますが、API規格やILSAC規格は性能を評価している規格です。

【API規格】アメリカ石油協会が定めた規格

API規格はアメリカ石油協会が定めた規格です。さまざまな観点からエンジンオイルの性能を評価し、「S」にアルファベットを組み合わせてグレードを表示しています。

現在のAPI規格で最も品質がよいエンジンオイルは「SP」に分類されています。また、SAからSHは廃止されているため、現在のAPI規格はSJ・SL・SM・SN・SN PLUS・SPの6つです。

【ILSAC規格】日米の自動車工業会が定めた規格

ILSAC規格は日米の自動車工業会が定めた規格です。API規格のSH以上に定められており、環境への負荷を軽減するための省燃費性能の基準をクリアしたエンジンオイルに記載されます。

ILSAC規格はGFの後ろの数字でグレードがわかれており、API規格と合わせて「SH/GF-1」などと表記されています。現在SHは廃止されているため、SJ/GF-2・SL/GF-3・SM/GF-4・SN/GF-7・SP/GF-6の5つです。

規格以外にもエンジンオイルを選ぶポイントがある

規格以外にもエンジンオイルを選ぶポイントがあります。そのポイントとは、以下の2つです。

  • 粘度で選ぶ
  • ベースオイルで選ぶ

エンジンオイルを選ぶときは規格だけでなく、粘度やベースオイルにも気をつけて選びましょう。

粘度で選ぶ

エンジンオイルは〇W-〇〇のように表されます。Wの前は低温時の粘度を、後ろの数字は高温時の粘土を示しています。走行中はエンジンの温度が高くなるため、後ろの数字の粘度を特に意識しましょう。

粘度の数字が小さいほど柔らかく、抵抗が少ないエンジンオイルです。そのため、燃費がよくなりやすい特徴があります。反対に、数字が大きいエンジンオイルは固く、抵抗が大きい傾向です。エンジンの保護性能が高い特徴があります。

ベースオイルで選ぶ

エンジンオイルはベースオイルに添加剤を混ぜて作られており、3つの種類にわけられるのです。

  • 鉱物油
  • 全合成油
  • 部分合成油

鉱物油は、原油の重質分から不純物を取り除いて作られています。ほかのベースオイルよりリーズナブルな価格で購入できますが性能は劣ります。

全合成油は、原油からさまざまな工程を経て、エンジンの潤滑に必要な成分を合成して作られるオイルです。性能が良い分、値段も高い特徴があります。

部分合成油は、鉱物油と合成油をバランスよく配合したハイブリッドなオイルです。鉱物油と合成油の両方の特徴を持っています。

まとめ | それぞれの規格の特徴を知ってエンジンオイルを選ぼう

JASO規格はクラッチの滑りやすさを、API規格はエンジンオイルの性能を示すなど、規格によって何を示すかが異なります。それぞれの規格の特徴を知ってエンジンオイルを選びましょう。

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