「トラクターのオイル交換をしたいけど、適切なエンジンオイルがどれかわからない」という方も多いのではないでしょうか。適切なエンジンオイルを選ばなくてはトラクターの寿命が縮む可能性があります。
そこで本記事では、エンジンオイルの選び方や交換方法を紹介します。合わせて、オイル交換のタイミングも解説するので目安にしてください。
トラクターに合ったエンジンオイルを選び、オイル交換できるようになりましょう。
目次
トラクターのエンジンオイルを選ぶには
トラクターのエンジンオイルを選ぶには、グレードと粘度を選ぶ必要があります。適切なエンジンオイルを選ばなければ、トラクターの故障につながる可能性もあるのです。
トラクターに合ったエンジンオイルを選べるよう、グレードや粘度の選び方を確認しておきましょう。
エンジンオイルのグレードを選ぶ
エンジンオイルはさまざまな規格によって、グレードがわけられています。ひとくちにトラクターといっても、ガソリン車とディーゼル車では規格が異なるので注意が必要です。
それでは、エンジンオイルはどのようなグレードにわけられているのか、具体的に紹介します。
ガソリン車の場合
ガソリン車のグレードはAPI規格によってわけられています。API規格とは、米国石油協会を含めた3社によって定められた規格です。
Sから始まるグレードでわけられており、グレードが高い方がオイルの質もよいものになります。農機に使われるエンジンオイルのグレードは、以下の通りです。
- SH
- SJ
- SL
- SM
- SN
SHは1996年型車まで、SJは2000年型車まで、SLは2003年型車までに適用され、SMとSNは型式を問わずに適用されてます。SNに近いグレードほど質が高い傾向ですが価格も高くなるため、予算と相談しながら決めましょう。
ディーゼル車の場合
ディーゼル車のグレードはAPI規格とJASO規格によってわけられています。
API規格はCから始まるグレードでわけられています。以下のグレードがあり、CI-4 plusに近いものほどグレードが高く、オイルの質もよいものです。
- CF
- CF-2
- CF-4
- CG-4
- CH-4
- CI-4
- CJ-4
- CI-4 plus
JASO規格は自動車技術会が定めた規格です。DHから始まるグレードでわけられています。
- CH-1
- CH-2
ほかに「DL-1」のグレードもありますが、トラクターには使えないので注意しましょう。
エンジンオイルの粘度を選ぶ
粘度は「〇W-〇」の形で表記されます。Wは「Winter」の略で、前の数字は低温時、ハイフンのあとにある数字は高温時の粘度を表し、エンジンオイルには10W-30などと記載されています。
どれを選べばよいかわからない場合は、取扱説明書などで推奨されている粘度を選べば問題ありません。
そのままの粘度でもよいのですが、使用地域の気候などから適切な粘度を選ぶ方法もあります。15Wは-20℃以下、10Wは-25℃以下の外気温に対応しているため、お住まいの地域に対応できるものを選びましょう。
トラクターのエンジンオイルを交換する方法
トラクターのエンジンオイルは自分でも交換できます。そこで、交換手順を簡単に解説します。
- エンジンの下にあるドレンボルトを外し古いエンジンオイルを排出する
- オイルフィルターを交換するならこのタイミングで交換する
- ドレンボルトを締める
- 最後に新しいエンジンオイルを規定量入れる
事前にエンジンオイルを廃棄するための廃油処理パックなどを準備しておくとよいでしょう。
トラクターのオイル交換をするタイミング
トラクターは初回が50時間、2回目以降は100〜200時間使用したタイミングがオイル交換の目安です。
とはいえ、トラクターは年中使うわけではありません。そのため、オイル交換のタイミングが大切です。そこで、オイル交換をする時期によるメリットやデメリットを紹介します。
時期ごとの特徴を押さえてオイル交換のタイミングを決めておけば、忘れず交換できるのではないでしょうか。
春先のオイル交換|農作業の開始時期
春先のオイル交換は、農作業を開始するタイミングでオイル交換する方法です。
メリットとしては、交換して間もないきれいなエンジンオイルを農作業に使用できるため本来の性能を発揮でき、エンジンをしっかり守ってくれます。
しかし、農作業に使用して汚れたエンジンオイルのまま冬を越すため、汚れがエンジンにこびりつきやすくなります。特にディーゼルエンジンの場合はエンジンオイルが汚れやすいので、注意が必要です。
秋口のオイル交換|農作業の終了時期
秋口のオイル交換は、農作業を終了するタイミングでオイル交換する方法です。
汚れたエンジンオイルを交換してからトラクターを保管できるため、汚れがこびりつかずトラブルを防げるメリットがあります。ただし、春先に農作業する際にはオイル交換してから時間が経ってしまうため、劣化する可能性が考えられます。
ガソリン車の場合はエンジンオイルが汚れにくいため、秋口よりも春先の交換がおすすめです。
まとめ:農作業に合わせてトラクターのオイル交換をしよう
トラクターのエンジンオイルは、グレードと粘度で選べます。ガソリン車なのかディーゼル車なのかによってグレードの選び方が異なるので注意してください。
農作業のタイミングに合わせて、春先または秋口にオイル交換するとよいでしょう。トラクターのオイル交換は自分でもできるので、好きな時期にトライしてはいかがでしょうか。