潤滑油

エマルションとソリュブルの特徴は?水溶性切削油にはソリューションも!

「水性切削油を使いたいけれどエマルションタイプとソリュブルタイプの違いがわからない」

このように思っていませんか?エマルションタイプとソリュブルタイプ、どちらのタイプを使えばよいかわからない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事ではエマルションタイプとソリュブルタイプの特徴や、同じ水溶性切削油のソリューションタイプについても解説します。適切な水溶性切削油を選んでスムーズに作業したい方は必見です。

エマルションタイプとソリュブルタイプの違い

エマルションタイプとソリュブルタイプの大きな違いは希釈したときの色です。エルマションタイプは希釈すると乳白色になるのに対し、ソリュブルタイプは希釈すると透明もしくは半透明に変化する傾向があります。

エマルションタイプは10から30倍に希釈して使う水溶性切削油です。一方、ソリュブルタイプは10から50倍に希釈して使う水溶性切削油を指します。

ソリュブルタイプの方が洗浄力や冷却効果はエマルションタイプより高い傾向ですが、潤滑作用は劣る点が特徴的。

エマルションタイプとソリュブルタイプはさらに細かく分類されているため、次項で詳しく紹介します。

エマルションタイプは4つにわけられる

エマルションタイプは鉱物油を多く含んでおり、水溶性切削油のなかでは最も潤滑作用が高いのが特徴です。エマルションタイプはさらに4つにわけられます。

  • エマルカットTAF-013
  • エマルカットTAF-110N
  • エマルカットTAF-310N
  • エマルカットTAF510N

エマルカットTAF-013は主にアルミニウム合金に、エマルカットTAF-110Nはアルミニウム合金から鉄系金属に、エマルカットTAF-310Nはアルミニウム合金から鉄系難削材に、そしてエマルカットTAF510Nはアルミニウム合金からステンレス鋼によく使われます。

ソリュブルタイプは2つにわけられる

ソリュブルタイプは水に溶ける成分だけを使用しているタイプと、水に溶ける成分と水に溶けない成分の両方が含まれているものがあり、以下の2つにわけられます。

  • エマルカットTAF-910
  • マルチクールZ-9944

エマルカットTAF-910は希釈すると半透明になります。マルチクールZ-9944は透明になるため、視認性が高いのが特徴です。

水溶性切削油にはソリューションタイプも

水溶性切削油にはソリューションタイプもあります。30から80倍の希釈倍率で、希釈したら透明になる点が特徴的です。ソリューションタイプの成分には基油を含んでおり、ほかの水溶性切削油よりも冷却作用が高い特性が大きなメリットです。

ソリューションタイプは、さらに以下の3つにわけられます。

  • AT-C1
  • CS-35
  • G-3

AT-C1は鉄鋼、CS-35は鉄鋼や超硬、G-3はガラスの加工に使われるケースがほとんどです。

ソリューションタイプは潤滑作用がほとんどなく、浸透性が高く肌荒れしやすいデメリットもあります。そのため、取り扱う際にはこまめな手洗いやクリームでのケアが必要です。

水溶性切削油はなぜ必要なのか

ではなぜ切削の際、水溶性切削油を使用するのでしょうか。切削油を使うと以下のような3つのメリットを得られます。

  • 潤滑作用
  • 冷却効果
  • 品質向上

潤滑作用で切削作業をスムーズにし、生産性を向上させます。また、冷却効果により切削の際に発生する摩擦熱を低減させ、切削に使用する工具を長持ちさせるメリットもあるのです。

さらに、切削油を使うと表面が綺麗に仕上がるため、品質が向上する点もメリットとして挙げられます。

このように、多くのメリットがあるため、切削作業に切削油は欠かせません。適切な切削油を使用し、効率的に切削しましょう。

水溶性切削油の使い方

水溶性切削油は、原液と希釈用水を混ぜて使います。このとき、希釈用水を入れてから原液を入れて混ぜましょう。

原液を入れてから希釈用水を混ぜるとゲルのようにかたまってしまい、均等に混ざりにくくなってしまいます。

混ぜる方法に決まりはなく、棒で混ぜてもよいのですが、攪拌機(かくはんき)などの装置を使ってもよいでしょう。それでも上手く混ざらない場合は、原切削油か希釈用水のどちらかに問題があるかもしれません。

希釈用水は、日本の水道水であれば問題ないケースがほとんどです。しかし、希釈用水の水質が悪い場合はうまく混ざらない可能性があるため、原液に問題があると決めつけないように注意してください。

水溶性切削油ならではの特徴

切削油には、水で希釈して使う水溶性切削油のほかに、希釈せず原液のまま使う不水溶性切削油があります。では、水溶性切削油と不水溶性切削油はどのような違いがあるのでしょうか。

水溶性切削油ならではの特徴として、不水溶性切削油より高い冷却効果が期待できます。また、水で希釈しているため引火の可能性が低い点が特徴です。そのため、水溶性切削油は引火の危険がなく比較的安全に使用できます。

まとめ:水溶性切削油は3つのタイプにわけられる

水溶性切削油はエマルションタイプとソリュブルタイプだけでなく、ソリューションタイプを含む3つのタイプにわけられます。また、切削油には水溶性切削油以外に不水溶性切削油も存在します。

それぞれ特徴や用途が異なるため、適切な水溶性切削油を選んで使うようにしましょう。

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