エンジンオイルを探していると「種類が多すぎてよくわからない」と思うことがあるかもしれません。容器に書かれている「0w-20」などの表示を見ても、何を表しているかわからない方も多いでしょう。
この記事では「0w-20」とは何かや、エンジンオイルの性能・選び方について解説します。
目次
0w-20とは
0w-20とは、アメリカ自動車技術者協会(SAE)が定める形式で表記された「粘度グレード」です。世の中に流通するエンジンオイルの多くは、SAEの粘度グレードで分類分けされています。
SAE規格は、数字とアルファベットの組み合わせで表されています。表示の意味としては「w」のある左側が低温時のオイル粘度、右側が高温時のオイル粘度です。数字の大きいオイルは、粘度が高い「ドロドロ」した状態をとります。逆に、数字が低いオイルは粘度が低く「サラサラ」しています。
粘度による性能の違い
基本的にエンジンオイルは、温度が高くなるにつれて粘度が低下し柔らかい液体に変わります。ここでは、硬いエンジンオイルと柔らかいエンジンオイルの性能について解説します。
粘度が硬い
粘度が高く、比較的硬いエンジンオイルはエンジン内部の回転に抵抗力を生み出します。その結果、エンジンに負荷がかかり燃費の悪化につながってしまいます。
しかし、ドロドロしている硬いエンジンオイルは、エンジン内部が高温で高速回転しているときでも、油膜切れを起こしにくいという点が特徴です。そのため、エンジンの保護性能に優れているという利点もあります。
粘度が柔らかい
柔らかいエンジンオイルは、回転するエンジン内部で抵抗を生み出しにくい特徴があります。そのため、エンジン始動時などの低温低速状態でも、低燃費の走行を実現できるのです。
とはいえ、エンジンが高速回転する状態では、エンジンの保護性能が不十分な場合があるでしょう。高温時はさらに粘度が低下するため、高速走行での使用には向いていません。
油膜切れを引き起こしたまま走行を続けると、エンジンの焼き付きを引き起こす危険性があるため注意が必要です。
粘度「5w-30」のエンジンオイル
車種によって推奨される粘度は異なります。とはいえ、一般的な車であれば「5w-30」付近の粘度を使用するケースが多いでしょう。「5w-30」は、さまざまな車種・環境に対応できる粘度として知られています。また、ほかの粘度のエンジンオイルと比べて価格帯が安く設定されているケースが多いでしょう。
一方で「0w-20」などのオイルは、低粘度オイルといわれています。エコカーやハイブリッド車に推奨されるケースが多いでしょう。
エンジンオイルの選び方
粘度について理解できたとしても、結局どれを選べばよいのかがわからない方もいるでしょう。エンジンの保護・燃費・コスパのうちどれを優先するかで、最適なエンジンオイルは異なります。
そのため、オイル選びをする際は、自身がエンジンオイルに何を求めるのかをあらかじめ決めるようにしましょう。
オイル規格
自身が求めるエンジンオイルを見つけるには、何を基準にオイル選びをすればよいのでしょうか。基準にできる指標の1つに「オイル規格」があります。オイル規格とは、品質ごとにエンジンオイルを分類したものです。
例えば、アメリカ石油協会が定める「API規格」では、オイルを省燃費性・耐熱性・耐摩耗性などを基準に分けています。「JASO規格」は、オイルを動摩擦維持指数・静摩擦維持特性・制動時間指数で分類する規格です。
エンジンオイルにはほかの規格も存在するため、オイル選びの際の参考にしてみましょう。
どこでオイル交換できるのか
エンジンオイルの交換に特別な資格は必要ありません。そのため、業者の方にお願いする方もいれば、自分で交換する方もいます。自分で交換する場合は、必要な工具を揃えなければならないため、初回だけ出費が増えてしまうでしょう。
エンジンオイルの交換方法
エンジンオイルの交換方法には「上抜き」と「下抜き」の2種類があります。初めてオイル交換する方であれば、安全な「上抜き」で交換したほうがよいでしょう。
上抜きのメリット
上抜きでは車の下に潜らないため、ジャッキアップするための工具は必要ありません。また「ドレンボルト」と呼ばれるネジを外す必要もないため、オイルに触れて火傷するリスクも避けられます。ほかにも、廃油の処理が簡単な点もメリットとしてあげられるでしょう。
エンジンオイル交換の注意点
車によっては上抜きができない場合があります。そのため、交換する前に上抜き可能かどうか確認しておくとよいでしょう。
また、冬などの寒さが厳しいときに交換する際は、温度低下によりオイルが硬くなるケースがあります。ドロドロのオイルを抜き取るには時間がかかる場合があるでしょう。
自分で交換する際に必要な道具
上抜きするにはオイルチェンジャーのほかに、オイルジョッキ・オイル処理パック・オイル受け皿・パーツクリーナー・ウエスなどを用意しなければなりません。工具を揃える際にわからない点があれば、店頭のスタッフに確認してみるとよいでしょう。
まとめ|粘度と性能を理解してオイル選びしよう
SAE規格は、エンジンオイルを粘度グレードで分類します。車種によって推奨されている粘度に違いはありますが、必要に応じて異なる粘度を使用することも可能です。オイル選びする際は、API規格やJASO規格などを参考にしてみるとよいかもしれません。