エンジンオイルは車のメンテナンスに欠かせない物ですが、近年の物価高騰により値上がりするのか知りたい方も多いのではないでしょうか。
本記事では、エンジンオイルの価格はこれから値上がりするのか解説します。また、ひとくちにエンジンオイルといっても価格はさまざまです。そのため、エンジンオイルの価格による性能の違いも紹介します。
価格と性能のバランスをみてエンジンオイルを選べるようになりたい方は必見です。
目次
エンジンオイルの値上がり
結論から述べると、エンジンオイルの価格は今後、値上がりすると考えられます。
そもそもエンジンオイルの価格はベースオイル・添加剤・容器の価格の3つから決定されます。近年は、原油の価格高騰を受けて、ースオイルの価格が高騰しているのです。さらに、輸送コストも上がっているため、値上がりに拍車をかけています。
ただし、純正エンジンオイルはほかのエンジンオイルと価格の決定方法が異なるため、価格の変動に半年から1年のラグがあります。
オイル交換の価格推移
エンジンオイルの高騰により、オイル交換の価格も上がっています。オイル交換費用の全国平均は以下のように推移しているのです。価格は1月から12月のオイル交換全国平均価格を平均した価格で表しています。
年 | 価格(小数点以下四捨五入) |
2015年 | 3,685円 |
2016年 | 3,708円 |
2017年 | 3,706円 |
2018年 | 3,734円 |
2019年 | 3,764円 |
2020年 | 3,864円 |
2021年 | 3,884円 |
2022年 | 3,961円 |
最安値は2015年8月の3,652円となっており、2023年は9月分までの価格が発表されています。
2023年 | 価格 |
1月 | 4,096円 |
2月 | 4,105円 |
3月 | 4,151円 |
4月 | 4,226円 |
5月 | 4,282円 |
6月 | 4,307円 |
7月 | 4,353円(最高値) |
8月 | 4,325円 |
9月 | 4,352円 |
このように、2015年では3,600円台でオイル交換ができましたが、2023年には4,300円台まで高騰しているのです。
エンジンオイルの価格と性能
エンジンオイルは価格や種類がさまざまです。価格が上がるなか、安いエンジンオイルを使おうと考える方もいるのではないでしょうか。そこで、エンジンオイルは価格によってどのような違いがあるか解説します。
エンジンオイルの価格はベースオイルの違いに大きく左右されます。エンジンオイルは、ベースオイルに添加剤を混ぜて作られていますが、元となるベースオイルは、全合成油・鉱物油・部分合成油の3つにわけられるのです。
全合成油は原油をベースに、エンジンの潤滑に必要な成分を合成して人工的に作られたベースオイルです。エンジンオイルの中で最も性能が高いというメリットがありますが、その分値段も高くなります。
鉱物油は、原油から不純物を取り除いて作られたベースオイルです。性能はほかのベースオイルよりも低い傾向にありますが、リーズナブルに購入できます。性能が低いからといって故障するわけではないため、とにかく価格を抑えたい方は鉱物油がよいでしょう。
部分合成油は、鉱物油と合成油をバランスよく配合したエンジンオイルです。鉱物油は性能面で少し心配だけど、全合成油は価格が高すぎると感じる方におすすめです。
エンジンオイル以外にも値上がりするもの
価格が上がると予想されるものとしてエンジンオイル以外にも以下のようなカー用品があります。
- タイヤ
- バッテリー
- ミッションオイルやデフオイル
それぞれ詳しく紹介するため、確認しましょう。
タイヤ
タイヤの原料には原油が含まれています。そのため、タイヤも値上がりが予想されているのです。そのうえ、タイヤの主な原料である天然ゴムも価格が高騰しているのも、値上げの原因です。
実際、日本のタイヤメーカーであるブリジストンではタイヤの値上げを発表しています。輸入しているタイヤについても同様の現象が起きており、さらに輸送費もかかるため、値上がりすると考えられます。
バッテリー
バッテリーの原料としては、蓄電池の主原料である鉛や、ポリプロピレンなどが挙げられます。
鉛も価格が高騰しており、さらにポリプロピレンは原油からできています。これに加え、輸送費の値上げも相まって値上がりが予想されるのです。
バッテリーの製造メーカーである古河電池やGSユアサではすでに、バッテリーの値上げを公表しています。値上げ率は10%以上となっており、バッテリー交換の価格にも影響を与えるでしょう。
ミッションオイルやデフオイル
エンジンオイル以外のオイル類も値上がりが予想されます。
オイルといえばエンジンを想像しがちですが、ミッションオイルやデフオイルの価格も原油の価格に大きな影響を受けるのです。これらのオイルはエンジンオイルほど頻繁に交換するものではないため、実感がわきにくいかもしれません。
言わずもがな原油価格の高騰につれ、ガソリン燃料の価格も高騰しており、こちらは家計に大きな打撃を与えています。
まとめ|値上がりを機にエンジンオイルを見直そう
エンジンオイルのみならず、たくさんのカー用品が原油価格の高騰などが原因となって値上がりをしています。値上がりはとめられません。そのためこれを機に、エンジンオイルの性能と価格のバランスを考慮しつつ、今まで選択していなかったエンジンオイルも見直してみましょう。