バイクのミッションオイルを交換しなければいけないかわからずに困っている方も多いのではないでしょうか。実は、バイクの構造によってミッションオイルの交換が必要なものとそうでないものがあるのです。
そこで本記事では、ミッションオイルについて解説し、交換時期や方法についても紹介します。適切なミッションオイルを選んで交換できるようになりたい方は必見です。
目次
バイクにおけるミッションオイルとは?
バイクに使われるミッションオイルとは、ギアオイルとも呼ばれており、トランスミッションをスムーズに動かすための潤滑油としての役割があります。
ミッションオイルは2ストロークエンジンでのみ使用され、4ストロークエンジンでは使いません。4ストロークエンジンのバイクでは、エンジンオイルをミッションと共有するため、エンジンオイルの交換のみでよいのです。
交換のタイミング
2ストロークエンジンの場合は、ミッションオイルを交換しなければなりません。交換のタイミングは、走行距離で10,000kmごと、期間では2年ごとが目安です。
2年おきの車検と同時に交換すると忘れにくいのでおすすめです。ただし、これらの期間が過ぎていなくても、次のような異常がある場合はミッションオイルの交換によって解決するケースがあります。
- オイルが白くなった時
- ギアが入りにくい時
それぞれ解説するので、詳しく知っておきましょう。
オイルが白くなった時
ミッションオイルが白っぽくなる乳化が起きた場合、交換した方がよいといえます。乳化はミッションオイルと水が混ざると起こる現象です。
ミッションオイルに水が混じるのにはさまざまな要因がありますが、湿気や結露などの気候環境によって水分が発生するケースがほとんどです。
白っぽくなってしまったら、ミッションオイルをしっかり抜ききって、新しいミッションオイルに入れ替えた方がよいでしょう。
ギアが入りにくい時
ギアが入りにくくなったら、ミッションオイルの劣化が原因である可能性が考えられます。
ミッションオイルが汚れたり劣化したりすると潤滑油としての本来の役割を果たせなくなるため、ギアが入りにくくなるのです。交換するとシフトフィーリングがよくなるため、ギアが入りにくくなったらミッションオイルを交換してみましょう。
また、新しいミッションオイルにすれば、トランスミッションの摩耗も防いでくれます。
ミッションオイルの交換方法
ミッションオイルは、自動車整備店やカー用品店などで交換してもらう方法もありますが、自分で交換することもできます。
自分でミッションオイルを交換する手順は、エンジンオイルを交換する手順とほとんど同じです。ただし、ドレンボルトの位置がエンジンオイルを交換する場合と異なるため、注意しましょう。
ミッションオイルを交換する流れは以下の通りです。
- ドレンボルトを緩める
- 古いミッションオイルを抜く
- ドレンボルトを締める
- 新しいミッションオイルを入れる
ドレンボルトを緩めるためのトルクレンチなど、道具があれば自分でも交換できます。そのため、ミッションオイルの交換に挑戦してみてはいかかでしょうか。
ミッションオイルの選び方
バイクのミッションオイルを選ぶ際には、粘度・規格・添加剤に注意して選びます。ここでは、それぞれ詳しく解説します。特に、粘度や規格はエンジンオイルと異なるため、間違えないように気をつけましょう。
粘度
粘度は「〇W-〇〇」のように表されます。〇には数字が入り、数字が大きいほど粘度が高く、硬いミッションオイルです。
エンジンオイルも同じ表記で粘度を表しますが、数字が異なります。エンジンオイルでは「0W-20」や「5W-30」などがよく使われます。しかし、バイクのミッションオイルでは、「75W-90」や「90W-140」などが広く使用されるのです。
規格
ミッションオイルの規格として、API規格が定められています。エンジンオイルにもAPI規格はありますが、こちらは「S」や「C」から始まるアルファベットでグレードがわけられています。
ミッションオイルはその性能によって、「GL-1」から「GL-6」までのグレードにわけられているのです。バイクのミッションとしては「GL-5」や「GL-4」が一般的に使われています。
添加剤
バイクのミッションオイルは、ベースオイルと添加剤から作られています。ベースオイルは、鉱物油もしくは半化学合成油が一般的です。
ここに添加物を加えてミッションオイルが作られますが、ミッションオイルによって含まれる添加物が異なります。そのため、状況によっては別で添加剤を必要とするケースもあります。その場合には、ミッションオイルの交換時に添加剤と一緒に入れましょう。
まとめ:バイクのミッションオイルを交換しよう
バイクのミッションオイルは、2ストロークエンジンの場合に限り交換が必要です。一方、4ストロークエンジンはエンジンオイルを共有するため、そもそもミッションオイルを使いません。
4ストロークエンジンのバイクであれば、適切な時期にバイクにあったミッションオイルへ交換しましょう。