最近「バイクの加速が悪くなってきた」「走行距離が増えてきた」と感じるなら、フラッシングする機会かもしれません。しかし、バイクのフラッシングや使用するオイルについて、わからないことも多いでしょう。
この記事では、バイクのフラッシングオイルについて解説します。あわせて、フラッシングの必要性や種類についても紹介しています。メリットやオイルの種類なども知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
バイクのフラッシングオイルとは
フラッシングオイルとは、洗浄剤を低粘度エンジンオイルに添加した、エンジン洗浄のためのオイルです。
走行距離が増えたり、オイル交換の頻度が少なかったりする場合に使用することが推奨されています。またバイクは、エンジン・ミッション・クラッチが一体となっているため、別々に洗浄する手間がかかりません。
フラッシングオイルの長所は
「バイクのフラッシングは意味がない」「あまり効果がない」など、さまざまな情報を目にするかもしれません。しかし、フラッシングオイルが流通しているのには理由があるはずです。
フラッシングオイルを使用するとどのような効果があるのでしょうか。次の3つの効果が期待できます。
- エンジン内部の洗浄効果が高い
- リーズナブルに洗浄可能
- 加速や燃費の向上が期待できる
それぞれについて解説します。
メリット1.エンジン内部の洗浄効果が高い
エンジンオイルには添加剤が含まれており、運転している間は絶えず内部を洗浄しています。ただし、長期間オイル交換していないと洗浄性能は著しく落ちるため「交換するのを忘れていた」という場合は、効果が期待できません。
フラッシングは、粘度の低いエンジンオイルに洗浄分散剤だけを加えているため、洗浄効果が高いのが特徴です。
メリット2.リーズナブルに洗浄可能
効果的にエンジン内部を洗浄するなら、分解して各パーツを洗うとよいでしょう。
しかし、エンジンを分解するのは時間も費用もかかるうえ、効果には個体差があり誰でも手軽に施工することはできません。
一方フラッシングは、短時間かつリーズナブルなため気軽に始めやすいのも魅力といえるでしょう。
メリット3.加速や燃費の向上が期待できる
フラッシングオイルによる洗浄は、エンジン内部の汚れを除去する作用があり、部品同士の摩擦が減ります。摩擦が減ると、各部品がスムーズに回転するため、吹き上がりが良くなり、大きくアクセルをひねる必要がありません。
エンジンの回転効率が上がれば、より少ない燃料で回転するため、燃料消費を抑えられます。
オイルのメンテナンス不良で起こるトラブル
フラッシングしなければならない状態、また効果が期待できる状態は、エンジン内部が非常に汚れている場合です。
エンジンオイルを定期的に交換しているバイクは、オイルに含まれる洗浄剤の効果によりあまり汚れません。定期的にオイル交換しないと、フラッシングが必要になるばかりではなく、下記のトラブルが起こり得るでしょう。
- エンジンの焼き付き
- 加速や燃費が悪くなる
それぞれについて解説します。
ケース1.エンジンの焼き付き
オイルの交換を怠ると、ススや汚れが堆積し、油路を詰まらせかねません。エンジンオイルの油路が詰まると、オイルが行き渡らず、部品同士の摩擦熱によりエンジンが焼き付きます。
エンジン内の汚れが目立ってきたり、エンジンオイルが汚れやすくなったりしてきたらフラッシングの効果が期待できるでしょう。
ケース2.加速や燃費が悪くなる
前述のとおり、オイル交換を怠るとオイルの流れが悪くなり、エンジン各部品の摩擦が大きくなることで回転ロスが発生します。当然、吹き上がりは悪くなり、アクセルをひねってもバイクの加速は鈍くなるでしょう。
加速が鈍くなると、必要以上にアクセルをひねって加速させようとするため、燃料消費が増え燃費が悪化します。
フラッシングオイルの種類
フラッシングオイルは「即効性」と「遅効性」に大別され、それぞれの違いは下表のとおりです。
| 即効性 | 遅効性 | |
| 施工方法 | 数十分間アイドリング | 3,000～5,000㎞走行する |
| メリット | 洗浄時間が早い | リスクが少ない |
| デメリット | エンジン損傷のリスク | 洗浄に時間がかかる |
エンジンの汚れ具合、使用状況などで選択するとよいでしょう。
フラッシングに相応しくないバイク
フラッシングしても、効果が期待できない、またトラブルになりかねないバイクの特徴は下記のとおりです。
- 定期的にオイル交換していない
- 長期間全くオイル交換していない
- 過走行車両、長期間放置しているバイク
上記のバイクは、エンジン内部が通常よりも汚れている可能性が高いでしょう。堆積した汚れは、フラッシングにより剝がれ落ち油路を詰まらせかねません。
上記の条件に当てはまる場合、バイクショップなどプロに判断してもらいましょう。
まとめ｜バイクのエンジンオイル交換は定期的に！
加速や燃費が悪くなったり、オイルが汚れやすくなってきた場合、フラッシングはとても有効です。エンジンオイルには、もともと洗浄成分が含まれているため、定期的にオイル交換していればフラッシングする必要がない点も覚えておきましょう。
定期的なオイル交換・フラッシングで綺麗な状態を保ち、長期的なバイクライフを楽しみましょう。