「4ストロークエンジンのオイルを交換したいけれど、エンジンオイルの種類が多すぎてどれを選べばいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。そこで、4ストオイルの種類や2ストオイルとの違いを解説します。
4ストロークエンジンに適切なエンジンオイルを選べるようになりたい方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
4ストオイルとは
4ストオイルとは、4ストロークエンジンに使われるエンジンオイルを指します。
4ストオイルには、自動車用とバイク用があります。どちらも同じように使えると思うかもしれませんが、自動車用の4ストオイルとバイク用の4ストオイルは違いがあるため、兼用できません。
そこで、自動車用4ストオイルとバイク用4ストオイルの違いを解説します。
自動車用4ストオイルとバイク用4ストオイルの違い
基本的に、自動車用4ストオイルとバイク用4ストオイルは成分が異なるため、専用のものを使う必要があります。
ただし、自動車用4ストオイルはバイクにも使用できますが、自動車用のエンジンオイルをバイクに使う際にはいくつかの注意点があるため気をつけましょう。
- 自動車とバイク兼用のオイルを使う
- 省燃費添加剤が入っていないものを使う
- バイク用と同じ粘度を選ぶ
- SG・SJ・SLのグレードを選ぶ
- GF-1からGF-5のオイルは使えない
以上のような違いがある理由は、自動車ではエンジンオイルのほかにも場所ごとに潤滑油がわけられているのに対し、バイクではエンジンオイルがクラッチなどの潤滑も行っているからです。
そのため、できるだけバイクにはバイク用4ストオイルを入れましょう。
4ストオイルと2ストオイルの違い
4ストオイルと異なるエンジンオイルに、2ストオイルがあります。4ストオイルは4ストロークエンジンに、2ストオイルは2ストロークエンジンに使われるエンジンオイルです。
4ストロークエンジンと2ストロークエンジンでは仕組みが異なるため、それぞれのエンジンオイルは循環方法や成分、特徴も違います。ここでは、4ストオイルと2ストオイルの違いを解説するので、参考にしてください。
循環方法
4ストロークエンジンと2ストロークエンジンでは、循環方法が異なります。
4ストオイルは、オイルパンのエンジンオイルをポンプで吸い上げ、エンジン内部を循環してから再びオイルパンへ戻ります。つまり、エンジンオイルを繰り返し循環して使用するのが特徴です。
これに対して、2ストオイルはエンジンなどを循環したあと燃焼されたり排出されたりします。
成分
4ストオイルと2ストオイルでは、入っている成分に違いがあります。異なる成分をピックアップして表にまとめました。
成分 | 4ストオイル | 2ストオイル |
動弁系の耐摩耗性 | 〇 | ✕ |
ポートの対閉塞性 | ✕ | 〇 |
スラッジの分散性 | 〇 | ✕ |
排気煙の低減 | ✕ | 〇 |
酸中和性 | 〇 | ✕ |
酸化安定性 | 〇 | ✕ |
これらの成分以外にもさまざまな添加剤が含まれていますが、4ストオイルと2ストオイルでは表の通り大きな違いがあります。
特徴
4ストオイルと2ストオイルは、それぞれエンジンの構造に合わせた特徴を持っています。4ストオイルには、以下の特徴があります。
- 摩耗に対する耐性が強い
- スラッジを分散させる働きが強い
- 酸中和性が高い
- 酸化作用を引き起こしにくい
これに対し、2ストロークエンジンは汚れが溜まりやすい構造にあるため、2ストオイルは堆積物を防止する作用が強い点が4ストオイルとの大きな違いです。
4ストエンジンに2ストオイルを入れると
4ストロークエンジンに2ストオイルを入れると、粘度が極端に高くなったり、エンジンの腐食が起こったりするなどのトラブルが発生する可能性があります。
また、エンジンが摩耗するスピードも4ストオイルを使った時より早くなり、故障につながります。そのほかにも、スラッジを分散させられず汚れが溜まり、焼き付きが起こるケースもあるのです。
このように、4ストロークエンジンに2ストオイルを使うとさまざまな問題が発生します。
間違って使った場合の対処法
では、間違って4ストロークエンジンに2ストオイルを入れてしまった場合はどうすればよいのでしょうか。
誤って入れた事実に気づいたら、すぐ2ストオイルを抜き、フラッシングを行ってから4ストオイルを入れて対処します。フラッシングとは、エンジン内を洗浄する作業を指します。手順は以下の通りです。
- ドレンボルトを緩めて2ストオイルを抜く
- ドレンボルトを締めてフラッシングオイルを入れる
- ドレンボルトを緩めてフラッシングオイルを抜く
- ドレンボルトを締めて4ストオイルを入れる
フラッシングで2ストオイルを洗い流しましょう。
4ストオイルと2ストオイルは混合可能か
フラッシングをせずにそのまま4ストオイルを入れてもいいのではないかと考えた方もいるのではないでしょうか。結論から述べると、2ストオイルと4ストオイルは混ぜて使用できません。
先ほど述べたように、2ストオイルと4ストオイルでは使い方や成分が異なるため、焼き付きなどが発生する原因となるのです。
誤って4ストロークエンジンに2ストオイルを入れてしまった場合には必ずフラッシングを行いましょう。
まとめ|4ストには専用のエンジンオイルを選ぼう
4ストオイルは自動車用のものとバイク用のものがあります。また、4ストオイルと2ストオイルには大きな違いがあり、兼用できません。
そのため、4ストオイルを選ぶ際には専用のものを選ぶ必要があります。適切なエンジンオイルを入れて、本来の性能を発揮できるようにしましょう。