4JJ1(いすゞ エルフ)のエンジンオイルは、何を使っても良いというわけではなく、適切に選択しなければなりません。
この記事では、4JJ1の正しいエンジンオイル選びについて紹介しています。また、4JJ1の特徴がエンジンオイルに与える影響についても紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
4JJ1(いすゞ エルフ)のエンジンオイルはコレ!
4JJ1に適したエンジンオイルは、メーカー推奨の「DH-2 10W-30」もしくは「DH-2 10W-40」です。4JJ1は、DPD装着車のため低アッシュオイルがメーカー指定されています。低アッシュオイル以外を使用すると不具合の原因になりかねません。
4JJ1はDPD装着車のため、メーカー指定の低アッシュオイルを使いましょう。
DPD装着車と低アッシュオイルの関係
なぜ、4JJ1のようなDPD装着車は低アッシュオイルを使わなければならないのでしょうか。
4JJ1に装着されているDPDの特徴と、指定されている低アッシュオイルの特徴について解説していきます。
DPDとは
DPDとは、排気ガス中のPM(粒子状物質)を浄化する装置で、厳しい排ガス規制をクリアするために取り付けられました。
DPD装着車は、フィルターでPMを捕集し、一定量堆積すると自動でPMを燃焼します。
燃焼しきれずに燃え残ったPMが溜まると、メーター内の警告灯が点灯してエンジンの出力を制限し、トラブルを未然に防ぎます。
低アッシュオイルとは
低アッシュオイルは燃えカスを減らすため、灰分となる添加剤を少なくしたDPD装着車に適したオイルです。
アッシュとは、排気ガス中に微量に含まれているエンジンオイルが燃え残った燃えカスです。アッシュはフィルターに堆積し、DPDの自動再生では燃焼されないため、オイルに含まれる灰分を減らさなければなりません。
4JJ1(いすゞ エルフ)のメーカー指定オイルについて
4JJ1のメーカー指定オイルは「DH-2 10W-30」もしくは「DH-2 10W-40」ですが、表記の意味をご存知でしょうか。
「DH-2 10W-30」や「DH-2 10W-40」は、「DH-2」と「10W-30」・「10W-40」でオイルの性質や特徴が異なります。それぞれの特徴について簡潔に解説します。
DH-2とは
DH-2は、JASO規格により定められたディーゼルエンジン用のオイル規格です。
乗用車・小型ディーゼルエンジン向けは「DL」、中型・大型ディーゼルエンジン向けは「DH」で識別されます。
それぞれの特徴は下表の通りです。
DL-1 | 2005年、クリーンディーゼル乗用車等に対応するため制定。 |
DL-2 | 2021年制定。 DL-1の硫酸灰分規格値を0.6%以下から、0.7以上0.8%以下に拡大。 |
DH-2 | 2005年、高負荷ディーゼルエンジン向けに制定。 硫酸灰分規格値1.1%以内。 |
DPDの目詰まりやエンジントラブルを避けるため、適切なオイルを使いましょう。
10W-30や10W-40とは
「10W-30」や「10W-40」は、SAE規格により定められているエンジンオイルの粘度を表す規格です。
それぞれの数字の意味は下表の通りです。
10W | 30 |
低温時の粘度 | 高温時の粘度 |
数字が小さいほど粘度が低くオイルがサラサラなため、寒冷地域でも始動性に優れ燃費向上も期待できます。
一方、数字が大きいほど粘度は高くなり、潤滑性能が高く高温でも油膜切れの心配がないなど、粘度の違いによる影響は少なくありません。
4JJ1(いすゞ エルフ)はココに気をつけよう!
4JJ1は環境問題や排ガス規制をクリアするため、DPDや低アッシュオイルを使用しています。ただ、DPDや低アッシュオイルの特徴を理解しないと、燃費の悪化などのトラブルになりかねません。そのため以下の2点に気をつけましょう。
- エンジンオイル量を点検する
- 指定オイル以外は使わない
それぞれについて解説します。
エンジンオイル量を点検する
DPD装着車は、PMを燃焼するため排気工程で燃料を噴射します。その際に燃え残った燃料がエンジンオイルに混入します。そのため、エンジンオイル量が徐々に増えるため、定期的にオイル量を点検しなければなりません。
4JJ1のオイルレベルゲージには、給油MINラインと給油MAXライン、点検用MAXラインの3つが刻印されています。定期的にオイル量を点検し、点検用MAXラインを超えたらオイル交換をしなければなりません。
指定オイル以外は使わない
DPD装着車に低アッシュオイルを使わなければならない理由は、オイルに含まれる灰分が少ないためです。
低アッシュオイル以外のオイルを使用すると、DPDフィルターに燃えカスが堆積しPMを燃焼する頻度が増えます。PMを燃焼するために燃料噴射が増え、DPDフィルターが目詰まりするため燃費の悪化は避けられません。
さらに、一定量までは自動でPMを燃焼しますが、いずれ手動でPM燃焼しなければならず、手間と時間もかかります。
まとめ|4JJ1(いすゞ エルフ)は低アッシュオイルを使おう!
4JJ1は、厳しい排ガス規制に対応するため、DPDを装着し低アッシュオイルを使用しています。DPDは、低アッシュオイル以外のオイルを使用すると不具合が発生し、燃費の悪化やエンジントラブルとなります。
4JJ1は配送など業務利用が多いため、適切なオイルメンテナンスにより、安全に長期間の使用を目指しましょう。