「50㏄以下のバイクは製造停止になるって本当?」「原付1種には乗れなくなるの?」と疑問を抱いている方も多いでしょう。原付が製造禁止になるわけではなく、2025年以降バイクメーカー各社が、生産終了する予定です。背景には「二輪車排出ガス規制」があり、規制をクリアする原付の開発が難しいことがあげられます。
この記事では、50㏄以下のバイクが製造停止される理由はもちろん、新たに誕生する原付の新基準も解説します。50㏄以下のバイクに乗り続ける方法や、別の選択肢についても見ていきましょう。
目次
50㏄以下の原付バイクが製造停止になる?
50㏄以下のバイクの製造は禁止されるわけではありませんが、バイクメーカーの撤退が予想されています。その背景には「二輪車排出ガス規制」があります。ここでは、50㏄以下のバイクが製造停止になるであろう理由と今後について紹介します。
乗れなくなるのはあくまでも新車
2025年1月現在、原付の製造を行っているバイクメーカーであるホンダとスズキは、総排気量50㏄以下のバイクの製造を中止する方向で検討しているとNHKが報道しました。ホンダのスーパーカブや、スズキのレッツといった原付が生産終了されれば、新たに購入することはできません。
ただし、現在乗っている原付や生産終了までに購入予定のある方は、50㏄以下のバイクを引き続き楽しめます。あくまでも、新車の製造が停止するだけで、中古車市場は存続するため、購入は可能です。
二輪車排出ガス規制とは
50㏄以下のバイクが製造されなくなるだろうと言われる要因は「二輪車排出ガス規制」です。「二輪車排出ガス規制」とは、ガソリンを燃料とする二輪車を対象に規制値を設け、排出ガスを一定以上出す二輪車の新車販売をしないようにする規制です。
平成11年に誕生し、数年ごとに見直されており、令和2年にも更新されました。2025年11月から新たな排出ガス規制が適用される予定です。
新たな規制をクリアする原付の開発は難しく、開発費に見合うだけの事業性の見通しも立たないとされています。メーカー各社は詳細については明かしていませんが、規制への対応が厳しい状況にあることは明らかです。
生産が終了してしまう背景
原付バイクは、日本国内ではメジャーですが、海外では50㏄〜125㏄のバイクのほうが需要が高いため、輸出がされていません。そのため、海外市場への展開が見込めず国内でも規制により販売が厳しくなると、生産を終了せざるを得ないと判断するメーカーがほとんどでしょう。
二輪車排出ガス規制の基準を満たすバイクを製造すると、現行よりも車両価格が高額になってしまうネックもあります。電動アシスト自転車や電動バイクなど、新しく生まれた身近な乗り物の存在も大きいです。
原付に新基準が誕生予定

50㏄以下のバイクが製造されなくなるため、警察庁では「二輪車車両区分見直しに関する有識者検討会 」を行い、新基準を設けることを検討しました。ここでは、その報告書の概要から今後の新基準について紹介します。
新基準原付は総排気量125㏄以下+4kW以下のもの
50㏄以下のバイクが製造されなくなると、原付の新基準が誕生する予定です。新基準では「総排気量125cc以下の二輪車の「最高出力」を現行原付と同等レベルの4kW以下に制御した二輪車」を原付としています。
2024年12月3日にはホンダが「CUB LITE」「DIO LITE」「PRO LITE」の商標を出願していることがわかっています。新基準に適合した原付が、2025年5月以降に登場するかもしれません。
免許は新たに取得しなくてもOK
現行の一般原動機付自動車(原付)免許および自動車運転免許では、125cc以下の原付二種バイクには乗ることができません。しかし新基準では、原付二種バイクとは別に、最高出力や最高速度を抑えた125cc以下のバイクを新基準原付として扱うため、改めて免許を取り直ししなくても運転が可能になります。
ただし、最高速度が60km/hの原付や二人乗りができるモデルは原付二種として扱われます。免許を新たに取得せずに、原付二種に乗れるようになったわけではないため、注意しましょう。
交通ルールは現行の原付1種と同じ
新基準の原付では原付1種のルールがそのまま採用される予定です。例えば、現行のルールでは125㏄以下のバイクは最高速度60km/hでしたが、30km/hになります。
加えて、2人乗りができなくなったり、2段階右折が可能になったりします。現行のルールをしっかり理解していれば、原付から原付2種に乗り換えても違和感がないように調整される予定です。
まとめ|50cc以下のバイクは製造されないが今後も楽しめる!
この記事では、50㏄以下のバイクが製造停止になることについて解説しました。2025年にバイクメーカー各社が製造を停止する予定です。背景には二輪車排気ガス規制があり、新車に乗れなくなる日は近いでしょう。
メーカー各社が50㏄以下のバイクを製造停止するため、警察庁では新たな基準を設けるとしています。総排気量が125㏄以下+4kWになるため、小型限定普通二輪免許が必要かと思うかもしれませんが、交通ルールや免許は現行のままで使用できるよう調整しているようです。
今後50㏄以下のバイクは製造停止してしまうものの、禁止されるわけではないため、現在乗っている方や製造停止前に購入する方は今後も楽しめるでしょう。