API規格のSQ、ILSAC規格のGF-7は高性能なエンジンオイルです。2025年2月現在ではリリースされていませんが、3月末には販売される予定です。
そこで本記事では、今までのグレードとどのような違いがあるか解説します。新しいAPI規格のSQとILSAC規格のGF-7のエンジンオイルについて知りたい方は必見です。
目次
API規格のSQとILSAC規格のGF-7について

API規格のSQとILSAC規格のGF-7は、2025年3月末にリリースされる予定のエンジンオイルのグレードです。従来のエンジンオイルよりも基準が高く、API規格のSQとILSAC規格のGF-7をクリアしたエンジンオイルは高性能なものになっています。
OEMの規制は二酸化炭素の排出量削減や燃費向上を目的とし、燃費効率の高いエンジンの開発を進めています。求められるエンジンオイルの性能も変化しているため、規制に合わせてAPI規格のSQとILSAC規格のGF-7の基準も高くなっているのです。
API規格のSQとILSAC規格のGF-7の必要性
現在SPのエンジンオイルを使用している場合、最新のグレードであるAPI規格のSQとILSAC規格のGF-7のエンジンオイルに変更すべきなのでしょうか。
現行の車であれば、現在販売されているなかで最も高いグレードであるSPでも、性能的には問題ないとされています。しかし、やはり性能面ではSQが勝るため、SQが推奨されます。
グレードはどんどん更新されていくため、将来的にもSQが広く使用されると考えられるのです。
従来のグレードとの違い

従来使用されていたAPI規格のSP、ILSAC規格のGF-6との違いは以下の通りです。
- 燃費性能向上
- 低速プレイグニッション防止
- タイミングチェーンの摩耗軽減
- フィルターの詰まり改善
- シール適合性
- ピストンの汚れ減少
- 低温時の流動性
API規格のSQ、ILSAC規格のGF-7は従来のグレードよりも高い性能をもちあわせています。それぞれ詳しく解説するため、変更点を確認しましょう。
燃費性能向上
API規格のSQ、ILSAC規格のGF-7では従来のSP規格より燃費性能が向上しています。
新しいエンジンオイルでの燃費性能は従来のエンジンオイルより+3%以上、使用したエンジンオイルでの燃費性能は+1.4%以上と定められています。燃費効率の向上により、二酸化炭素の排出量を削減できるのがメリットです。
低速プレイグニッション防止
低速プレイグニッション(LSPI)防止性能は5回以下と定められています。
低速プレイグニッションとは、予期せぬ着火がプラグによる正常な点火のタイミングより先に発生するプレイグニッションを指し、異音の発生やエンジンの摩耗の原因となります。これを抑えるため、API規格のSQ、ILSAC規格のGF-7ではエンジンオイルへの添加剤の基準を調整しているのです。
タイミングチェーンの摩耗軽減
API規格のSQ、ILSAC規格のGF-7は、タイミングチェーンの摩耗を減らす摩耗保護の性能を備えています。チェーン摩耗防止の数値が0.08%以下をクリアしていなければなりません。
タイミングチェーンが摩耗すると、エンジン性能を低下させたり、最悪の場合タイミングチェーンが切れたりします。これを防ぐため、API規格のSQ、ILSAC規格のGF-7ではタイミングチェーンの摩耗が従来のエンジンより軽減するよう定められているのです。
フィルターの詰まり改善
API規格のSQ、ILSAC規格のGF-7では、従来のエンジンオイルよりフィルターが詰まりにくくなっています。
フィルターの詰まりを引き起こす硫酸灰分の量が0.90%以下と定められています。硫酸灰分量を減らすことで、微粒子フィルターなどの後処理装置への負担を軽減するのです。
シール適合性
API規格のSQ、ILSAC規格のGF-7では、従来のエンジンオイルより多くのシール材に適合しています。API規格のSQ、ILSAC規格のGF-7では9種類のシール材に適合することが上限となっているのです。
従来適合していたシール材に加え、新たにACM-2、AEM-2、AEM-3、FKM-3の4つのシール材との互換性を持つエンジンオイルとなっています。
ピストンの汚れ減少
API規格のSQ、ILSAC規格のGF-7では、ピストン堆積物の数値が4.6以下と定めされています。
ピストンに汚れが溜まると、パワーロスやエンジンオイルの消耗増加、燃費の低下などを引き起こします。API規格のSQ、ILSAC規格のGF-7は従来のグレードより9.5%ピストンが汚れにくく、トラブルの軽減が期待できるのです。
低温時の流動性
従来のエンジンオイルよりも低温時の流動性が高いのが特徴です。
低温粘度は40000cP以下と定められており、これは、-40℃でのエンジンオイルの流動性を示しています。具体的には、以下のグレードが含まれます。
- GF-7A: 0W-20、5W-20、0W-30、5W-30、10W-30
- GF-7B: 0W-16
低温流動性が向上したため、従来のエンジンオイルと比べて寒い地域でも固まることなく性能を発揮できます。
まとめ|API規格のSQとILSAC規格のGF-7は高性能のエンジンオイル

API規格のSQとILSAC規格のGF-7は高性能のエンジンオイルです。
現行のSPグレードでも十分な性能を持っていますが、新しい規格への移行を検討する価値は十分にあります。特に新車や高性能車のオーナーにとっては、SQとGF-7規格のエンジンオイルへの変更が推奨されます。
API規格のSQとILSAC規格のGF-7のエンジンオイルで、より快適なカーライフを楽しみましょう。