気づかぬうちに愛車のエンジンルームが、動物たちの隠れ家になる場合があるとご存じでしょうか。特に冬場や雨の日は、ねずみや猫、イタチなどが身を守るために車の下へ潜り込み、そのままエンジンルームへ入り込むことがあります。
本記事では、エンジンルームに動物が侵入するのを防ぐための対策やなぜ対策が必要なのかについて紹介します。加えて、事故が発生しやすい時期についても解説しているため、ぜひ参考にしてください。
目次
エンジンルームの動物対策はなぜ必要なのか?

エンジンルームは、動物たちにとって快適な避難場所になりがちです。気温が低い日や雨が降ると、温もりを求めてエンジンの隙間へ入り込むことがあります。ここでは、対策を怠った場合の具体的なリスクについて紹介します。
動物の命が危険にさらされる
エンジンをかけた瞬間、ベルトやファンが勢いよく動き出します。もしエンジンルーム内に動物がいた場合、逃げる間もなく巻き込まれる可能性が高いでしょう。
さらに、エンジンが動き出した際の熱や振動によって、動物がパニックを起こし、予測できない動きをすることがあります。その結果、車体の奥深くに逃げ込んでしまったり、配線や機器を傷つけたりするケースも報告されています。
糞や尿によって車から悪臭がする
動物がエンジンルームに住み着くと、そこで排泄をするため悪臭問題が発生します。特にイタチや猫は、同じ場所で排泄する習性があるため、臭いが強く染みつきやすくなります。
この悪臭は時間の経過とともに広がり、車の外側だけでなく、車内にまで侵入してしまいます。ひどい場合は、エンジンルームを洗浄したりエアコンフィルターを新しく交換したりしても、完全に臭いを除去できないことがあります。
車のトラブルや火災に発展する場合もある
エンジンルームに動物が入り込んでしまうと、エンジントラブルや火災に発展するケースもあります。例えば、エンジンルーム内の配線を猫やイタチなどの動物が噛んでしまい、ショートしてしまう事例もありました。
この場合、多額の修理費用が発生するだけでなく火災の危険性もあります。
エンジンルームの動物対策3選

エンジンルームに動物が入り込んでしまうとさまざまなトラブルに発展する可能性があるため、日常的な対策が必要です。手軽な対策を行うだけでも効果的です。ここではおすすめの対策を3つ紹介します。
対策1:ボンネットを軽く叩く
車に乗る前に軽くボンネットを叩くことで、エンジンルームに潜んでいる動物を驚かせて追い出せます。日産では『のるまえに#猫バンバン』という啓発キャンペーンを行っており、簡単かつ効果的な方法の一つです。
しかし、強くたたきすぎるとさらに奥へ入り込んでしまう可能性があります。動物に知らせるイメージでやさしく叩くとよいでしょう。
類似した方法で、ドアを強めに閉める、クラクションを鳴らすといった手段もあります。ボンネットを叩く際と同様に、大きすぎる音は逆効果になる可能性もあるため、注意しましょう。
対策2:超音波装置を設置する
人間には感じ取れない超音波の装置を設置する方法もおすすめです。人間は14kHz(ヘルツ)〜20kHzの音しか聞き取れませんが、動物によっては100kHz以上の音も聞き取れます。この習性を利用して、超音波で大きな音を流すとエンジンルームだけでなく、庭への侵入も防げます。
ただし、動物がこの音に慣れてしまうと効果がなくなってしまうリスクがあります。まずは高額なものを用意せず、負担のない金額の超音波装置を用意しましょう。3,000円以下のものから、1万円前後の商品まであります。定期的に設定を変える工夫をすると長期間効果が維持できるでしょう。
対策3:忌避剤を使用する
動物が嫌う臭いを出す「忌避剤」を使うのも効果的な対策です。忌避剤は、錠剤型やスプレーなどさまざまなタイプがあり、ホームセンターやネット通販で購入ができます。1,500円程度で買える商品もあり、手軽に試すことが可能です。さらに多くの製品は、ムカデのような害虫にも効果がある商品もあるため、虫が苦手な方にも向いています。
ただし、忌避剤の中には人間にとっても不快な臭いがするものがあるため、臭いに敏感な方は使用前に確認しましょう。臭いは一定期間を過ぎてしまうとなくなってしまうため、定期的な交換が必要です。
エンジンルームに動物が入るのは冬だけではない

冬場にエンジンルームへ入り込む動物が多いのはよく知られていますが、実は梅雨の時期も注意が必要です。エンジンルームは電装部品を保護するために密閉性が高く、雨をしのぐには最適な場所といえます。
特に猫は濡れるのを嫌うため、雨が降る日にはボンネットの中に隠れていることが増えます。冬だけでなく梅雨の時期もエンジンルームへの動物対策を強化するとよいでしょう。
まとめ|エンジンルームの動物対策を徹底して愛車を守ろう

本記事では、エンジンルームの動物対策を紹介しました。エンジンルームに動物が入り込んでしまうと、動物の命を奪ってしまったり、糞や尿により悪臭が発生したりとエンジンルームのトラブルに発展します。
これらのトラブルを回避するためには、車に乗る前にボンネットを叩いたり、超音波装置を設置したりといった対策が必要です。エンジンルームの動物対策を行い、愛車だけでなく動物の命も守りましょう。